自分を守る方法 〜妄想に助けられて来たこと〜
パラリンピックをこどもと観る 〜楽しみながら考えること〜
△みんな違ってみんないい…。言うは易し、の代表格言ですね(笑)。
大変久しぶりの更新になってしまいました。残暑が厳しい秋の入り口ですが、みなさんお元気でいらっしゃるでしょうか。
さて、チーは夏の厳しい暑さも乗り越えて、念願の減薬もスタートしました^_^。1ヶ月ごとに検診しながら、10mgだったステロイドを1mgずつ減らしています。ただいま8mg…焦らず無理なく付き合って行きたいと思います。
9mgになってしばらくした頃「薬減らしたけど、どう?」と聞いてみると「うん。何か楽になったよ」とのこと。以前ステロイド治療をしていた友人にその話をすると、「すごく的を得てる言い方だね(笑)!薬が減った時はまさにそんな感じがしたよ」と言われたので、楽になったなら嬉しいなーと思います。
さて話は変わりますが、我が家は今年の夏パラリンピックを楽しんでいます。きっかけは私がパラリンピック前(オリンピックよりも前だったかも…)にNHKでパラ選手のドキュメンタリーをいくつか観たことです。バリバラの司会の大西瞳さんが競技に向き合う姿も度々番組で拝見していて、その辺りの事前準備(?そんな言い方します…笑?)もあって、単純にワクワクしながら待っていました。
私がワクワクしていると、こどもにも伝染します^^。パラリンピックはちょっとだけでも情報が入ってから観ると楽しみ方が違うので、私が我が家のガイド役になり、どんな選手か、また競技の際の工夫などを邪魔にならない程度に教えながら観ています。
また、リオの時差は分かりやすいので、朝早起きをするとライブ映像に間に合うことも大きかったです。普段は寝坊の聡悟を起こして「○○さんが泳ぐよ!」「○○さんが跳ぶよ!」と“今”を一緒に楽しみました。
もちろん感じ方は彼らに任せればいいのです。「すごいよね、この人達は大変なのに…えらいよね」なーんて野暮なことは言わず(笑)、何か学ばせよう、感動させようと気負わなくても、ちゃんと感じる力は持っています。「感動ポルノ」という衝撃的なキーワードがメディアに出ていましたが、パラリンピックはそういった壁を楽しみながらとっぱらう、絶好の機会になると思います。
例えば、盲目のアスリートがガイドと共に走る陸上競技。ガイドもパラ選手と同じか、それ以上の陸上のスキルに加えて、見えていない選手の状況についても深い理解がないとガイド出来ません。歩幅も手の降りも完全に一致して走る姿はスゴいの一言!6年生女子のいくちゃんは「ガイドの人、これだけ早いなら自分だって選手になれそうなのに、どうしてガイドをやろうと思ったのかな?」というのが気になるようですし、聡悟は「この目隠しかっこいい!」と(笑)。
どうやらいくちゃんはその選手の障がいの背景(先天性?事故?病気?)や、周りのサポートや家族のあり方など、選手自体の人生が気になるよう。それに比べると聡悟は、もっと単純に「すげ、はえー!かっこいい!」…と、スポーツとして楽しんでいます^^。
ここまで来るアスリートの方々は、私たちが想像する「大変さ」はもちろん、過酷なトレーニングや進行性のご病気のある方は治療も含めて、色々超えて来たはずです。それもそうなのですが、もっと楽しい「スポーツ観戦」に出来るんじゃないかしら。感動しないと…と思わなくても大丈夫(笑)、本当に魂が揺さぶられます。
そしてこどもたちにとっても、1度でも義足の選手や欠損の選手、盲目の選手を応援していたら、街角で見かけてもそれほど驚かないでいられるだろうし、社会には色んな人がいる…と当たり前に感じるきっかけになるでしょう。そして競技の際の工夫やサポートの仕方をちょっと情報として与えてあげるだけで、ちゃんとこどもは吸収します。そこに含まれる様々なことは社会にも必要なことだし、彼らの人生のスキルになると思います。
障がいのある方々とその周り(仕事で携わる方や家族や友人など)の人々と、そうじゃない(いわゆる普通の?)人々との差が大きな社会です。当事者じゃないと理解は難しいかもしれないけれど、可哀想な大変な人たちが頑張ってる姿…なんてのは、観てない人が作った勝手なイメージ(笑)!開会式を含めて2週間あまりの日々をこどもも一緒に楽しめたら、そんな壁を難しく考えないで軽々と飛び越えられるような気がします。
そうそう。NHKのパラ選手のドキュメンタリーは感動を推し過ぎなくてオススメです。この大会が終わった後に再放送するかしら?今からでも観られたら、東京パラリンピックが待ち遠しくなると思うんですが…^^。
71回目の終戦記念日 〜毎度ぐるぐる考える〜
△夏空を見上げて、今年も終戦記念日を迎えました。
この夏はチーの体調もよく、おかげさまでステロイドを10mgから9mgに減量しました。これからは一ヶ月ごとに定期検査をしながら、慎重に薬を減らして行く事になります。うまくいくといいですが、再発したら…またその時考えるとしましょう^^;。
日本の夏には、広島、長崎、終戦記念日…と、嫌でも振り返る機会がありますね。こども達も大きくなって来て、戦争についてなど話すことも増えて来ました。私の祖母のお兄さんが戦死されているので、私たちがギリギリ繋がっている世代だと思います。
戦争についてあまり多く語らなかった祖母ですが、孫達が随分大きくなってから一緒に知覧の特攻資料館に行った時の様子を見て、あぁ、ばあちゃんにとっては戦争は終わる事がないのかもしれないなぁ…と思ったのを覚えています。
今こどもと暮らして、もう二度と会えないかもしれないのに「バンザイ!」と笑顔で送り出さなければならなかった戦中の母たちと同時に、戦争で孤児になった方達の戦後のシビアさを想像します。
被害の大きさ、戦後の大変さ、生の声を聴ける機会は70年を超えた今、だんだん減って行くでしょう。でも、知らないうちに大事な事が決まっていて、何だか分からないうちに隣の人の思想を見張り合うような、そういう怖さこそが戦争の足音だったのかもしれません。それを、想像力を持って近くに引き寄せる事は出来ると信じています。
多様性の真逆にあるのが、お互いの正義のぶつかり合いでしょう。2年生の息子に「日本だけが絶対に戦争をしないって決めれるの?他の全部の国が戦争をしてても?」と聞かれました。「だいたい悪い人かどうか、どうやって見分けるの?」…ほんとだね。世界は全部繋がっていて、日本だけが…ってのはなかなか難しいんだ、でも、誰かと誰かの間に入って、お互いの話を聞いてそんなこと止めなよ…っていう役割は出来るかもしれないね。と言うと「なんだ、ケンカと一緒じゃん」…ほんとだね。
大人たちは、いつまでもどっちが悪かったかの話ばかりしていないで、次の世代に多様な価値観の共存が出来るかどうか、本気でチャレンジする姿を見せないと…ですね。違う考えの人を否定して論破する方法じゃなくて、お互いが本当に大切にしている物はなんなのかを、礼儀をもって健全にディスカッション出来るといいなと思います。ネット社会に生きる次世代のこどもたちには特に必要なスキルになるでしょう。
毎度、ぐるぐる答えの出ない繰り返しですが、年に1度先祖の皆さんに手を合わせて「道を誤らないよう、見守って下さい」とお願いするのは自分にとって何か大切なジンクスのようになっています。
日本だけでなく、世界の子ども達が安心して眠れる世界にして行けますように。
昨年、一昨年の記事はこちら
久しぶりの筋反テスト 〜減薬への第一歩となる…か??〜
△今年も海に行けました〜♬
何だかバタバタと日々過ぎていますが、皆さんお元気でしょうか?
毎日暑いですねぇ…今年の夏は暑さが格別に厳しいようなので、チーのようにステロイドを常飲している子ども達の体力低下が心配されます…>_<。今日は久しぶりにチーのMGの話題です。
チーはおかげさまで再発なしで夏を迎え、久しぶりに筋反テストをして来ました。今回担当の先生が初めて麻酔無しでトライして下さいました。麻酔の有無などについては、患者の会でも以前から活発に意見が交わされている所です。
詳しくは、ちょうど昨年の夏に書いたこちらの記事をご覧下さい。
今までの先生とのやり取りで、麻酔無しでのテストについて何度も話をしていたので、今回やれるかどうかのトライをして下さったのですが、結果的には顔の筋力を少ししか出来ませんでした…>_<。
治療に関してチーは我慢強い方だと思いますし、年齢の割りにしっかり理解しています。麻酔をしないで筋反テストを受けることも説明していたのですが…途中で身体が震えて来て、声も出さずにホロホロ涙がこぼれて来ました。その様子は見ているこちらが思わずもらい泣きをしそうな様相です^^;。
「患者さんがこうなった時、どうやって検査を続けているのでしょう?」と先生も困り顔。「年齢がいっていれば、少し我慢すれば終わる…と分かってもらえるのですが。小さいこどもは嫌なもんは嫌ですもんね。涙が出ちゃうと身体が震えてうまく波動がでなくなっちゃうんだよなぁ…」と。
でも、こちらの意向をふまえてダメもとでトライして下さった気持ちが有り難かったのと、今は症状が出ていないこともあり、眼筋だけでもキレイな波動が取れたのでヨシとしました。
とりあえず、最後の再発からもうすぐ2年になりますので、この夏メスチノンを止めてみることになりました。このまま様子を見て、うまくコントロール出来たら、念願のステロイド減薬が現実味を帯びて来ます^^。
小学校に入る頃、今の半分くらいに減らせていたらいいなぁ。でも減薬の難しさはよく理解しているつもりなので、焦らずに見守って行こうと思います。
出来ないことを数えられたら…と想像する 〜息子との朝の攻防、その後〜
△さぁ、朝ですよー!気持ち良さそうな夢の世界から出ておいでー^^!
とっても久しぶりの更新になってしまいました^^;。ハッキリしないお天気で体調管理が難しい季節ですね。チーも恒例になりつつある(?)季節の変わり目の意味不明の高熱が2日程あり、続けて引いた喉風邪にちょっとやられていました。
チーのように病気でステロイドを常飲していると、治ろうとする力もセーブされてしまう所があるようで…治りかけが長引くことも多いのです>_<。まぁ、それも体質と思ってゆっくり付き合って行くつもりですが、もう少し大きくなって来たら「この天気はヤバいかも…」とか「もうすぐ体調悪くなりそう…」と自分で分かるようになるかもしれないですね。
それでも幼稚園に行きたがるほど、園生活は楽しんでいるのでそこは一安心です^^。
さて、今日は息子の朝寝坊について書いた記事
の続編です。
あれから約5ヶ月。朝は電気を付けて、顔を上に向けさせ(ここで布団に潜られたら最後です…笑)「朝だよ!今1回目だから、次に起こしたら最後だからね。分かった?」と声をかけて、5〜10分後にもう一度「これが2回目だから最後だよ!自分で起きなよー」と起こします。
これで何とかボンヤリながらも起きて来るようになりました。もちろん、パチっと起きてサッサと動けるようにはなってません…笑。こうするようになって、時間はかかってしまうのですが、何より良かったのはズバリ「私が怒らないで済むこと」です。
毎朝、毎朝「何回起こしたと思ってんのっ!?…いいかげんにしなさいよーっ!!」と怒鳴っていた日々と比べると、本当に気が楽ですー^^!起きて来ないことにイライラしてくると、(私の厳しさ(迫力?)が足りないんじゃないか?)と勘違いが発生し、怒鳴り声がどんどん大きくなっていくのです(笑)。でも結局は、今のように怒鳴らなくても、怒鳴っていても、彼にとってはほとんど変わりなかったようで…これでは本当に怒り損ですよね^^;。
子育てをしていると、とかくそういう勘違いを起こしやすい気がします。確かに、大人の厳しさや怖さが必要なときもあるでしょう。でも、親が思う「生きるのに大切なこと」とこどもが思うそれとは違っていて当たり前だと思うのです。いつか自分で気まずい思いをしながら学び、必要だと思える日が来るか、それさえ別に来ないか…?まぁ、それならそれも彼の人生ですよね(笑)。
自分だって大人になってからストンと胸に落ちる、昔もらったアドバイスがたくさんあるし、逆もあります。(大人になったらそう考えるのかと思ったけど、違った言葉もある)。
そういう時、私は自分にとって苦手なことを考えてみます。自慢じゃないですが、私は家事の中での出来不出来にかなりデコボコのある人間です。料理は好きだけど、掃除は苦手。年賀状作りなどのデザインは好きだけど、家計のやりくりなどの会計業務は苦手。数字には本当に弱いので、家計簿などをちゃんと付けていらっしゃる世間のママたちを本気で尊敬します。
天使は清しき家に舞い降りる…とか、断捨離してスッキリ暮らす…とか、子供がいても散らからないリビング整理術とか…はたまた、家計の何パーセントを貯蓄に回すとどうだとか。3人の生涯にかかる費用とか…書いてるだけで落ち込んできますが…笑。
もう、ゴメン!正しいことも、そうだったら素晴らしいこともよーく分かってるの。でもうまく出来ないんだよ。日々の暮らしの中で優先順位が上がってこないのよ。
スキマ時間があったら、新作石けんのレシピ考えちゃったり、余りの果物とシリアルに粉類とココナツオイル入れたらクッキーとケーキのあいのこみたいの焼けるかなーとか、付き添いママにどうやったら温かい食事を提供できるか妄想したり、生活にムダと言われても仕方ないことに頭を取られてしまうんです。
おや?それって、やらなければならない宿題そっちのけで遊びに走り出す息子とそう変わらんのでは…苦笑…という訳で、指導部になるほど立派なママにはなれそうもないので、まあまあのところを一緒に飛ぶか…という感じです。
朝から丁寧に仕込んだ夕飯を「料理は良いけど、この部屋は散らかりすぎだ!」と言われたら悲しいし、「あそこの◯◯さんなんて、フルタイムで働いてるのに、いつもすごくキレイにしてるよ。あなた専業主婦でしょー?出来ない理由は何?」なんて言われたら…考えただけでも涙ですーT_T。
人と比べられたり、出来ないことを数えられたら、大人だってやっぱり傷付きます。それをこどもにしちゃってないかなーと、時々立ち止まって考えます。デコボコでも、自分なりに身につけたスキルで、誰かに喜んでもらえるだけのコミュニケーション能力が育つ方が大切な気がするんです。
もちろん、これは早々に勉強を放り出した私の勝手な価値観です。こども達がそれと違った道を行くならそれも良いでしょう。お天道様に恥ずかしくなく、違った生き方の誰かを責め立てて論破しないと安心できない、そんな不安定な生き方じゃなかったら、どんな道でもそれでよし…じゃないかしら^_^。
ちゃんと「親としての躾という役割」をしてるかどうかなんて、誰の評価を気にしてるのかなーと思うこともあり。そんな縛りから解放されて、親にも親の大切な友人がいたり、好きな趣味があったり、ニュースを見て涙ぐんだり、誰かのために走ったり。そういう「人生は続くんだ、ママも1人の人間なんだ」って、ジタバタ生きる姿を見せた方がリアルなんじゃないかな。
そもそも正解のあるものじゃないですからね。それぞれ人の数だけやり方はあるでしょうし、マニュアル化出来ない部分だから面白いとも言えますね(笑)。
組体操に思うこと 〜6年生とぐるぐる考える〜
どーもどもっちゃって13 〜新学期とオープン化について思うこと〜
△「こ、このはな、か、かわいいっ!バアバに、な、名前教えてもらおっ!」…のニイニのバックでポーズに抜かり無しのチーです^^;。
春になりました。皆さんの周りでも新生活がスタートしているでしょうか?聡悟も学年が上がって2年生になり、懇談会で吃音について先生と話をしてきました。
最近の様子は結構落ち着いていて、新しいクラスに緊張している様子も見られません。「嫌な事ある?」と聞いても「別にーなーんもー♬」と含みのない感じ。以前に記事で紹介した言葉教室にも週に1度頑張って通っています。
そんな訳で「先生に知っておいて欲しい事ある?」「発表とか本読みで急に当てられたら困る?」と聞いても「ううん、大丈夫。こ、答えれてるよ、おれ」と、本人それほど気に病んだ様子は見られません。ただ、それで吃音が出ていないか…と言うと、それとこれとは別問題で、連発こそ見られないものの言い出しにはまた引き延ばしが出ています^^;。
私の中の手出しのラインは、ずばり、本人が困っているかどうか…です^^。初めはクラスのママに吃音について説明するための内容など考えていたのですが、今回は先生にだけ簡単な資料とこのブログの紹介をして、それで済ませました。また本人の様子から必要性を感じたら、その時点で相談させてもらおうと思っています。
そして治療に関しては、つばさ吃音相談室に週1度頑張って通っています。家での練習はまるでやらない彼ですが、先生と一対一で行う練習は真剣にやっているようなので、このまま通いながら様子を見たいと思います。「まだ遊びたい!」と行く時に言うことはありますが、言葉教室自体が嫌だとは言った事がないので、自分なりに頑張る場所にしているのでしょうね^^。
言葉の教室はもちろん吃音の改善が目的なのですが、それ以外に「親以外の大人と関わる社会の窓を開けておく」という役割もあります。吃音について本人が自分の問題として理解し、困った時の話が出来る大人が親や学校以外にいる。真摯な姿勢で吃音と向き合っている大人も存在している…と肌で感じるのは、今後の彼にとっても社会を信じる大切な一歩になるでしょう。
吃音のオープン化について、私も初めの頃には迷いもありました。主に親の立場で気になるのは
・気にして悪化するのではないか?
・このまま様子を見ていたら治って行くんじゃないか?
だと思います。ただ、私は結果としてオープンにして良かったです。何より、一年生になった本人に吃音という症状について説明した時の「そっか、そうだったのか…!」とホッとした顔をいつも思い出すのです。(ちょうど昨年の今頃、下の記事を書きました)
もし吃音についてちゃんと話さずにいたら、本人が気付くのは周りからの真似やからかい、「○○君はどうしてそんな変な喋り方なの?」という素朴な疑問がスタートになるかもしれません。それについて話してくれたら良いですが、親が気にしていないと思っていたら心配かけたくなくて黙っていただけ…というケースもあるでしょう。思ったように言葉が出ないという、取り留めない不安をどうやって理解すればいいのか戸惑ったんじゃないかな、と思います。
吃音について悩む時(解決になるかならないかは別として)家庭でそれを話題に出来なかったら辛いんじゃないかなぁ。このブログでもいつも答えも出ずぐるぐる悩んでばかりですが、一緒に悩めるかどうかは大きな違いですよね。もし自分がそうだったとして…と考えるのは、当事者になれない周りの人間として大切な事だと思いますが、もし私だったら教えて欲しいし、正直に話して欲しいです。
その後の対応はそれぞれのお子さんのタイプ次第で、手出し口出しをしてもらって守られる事で安心するお子さんもいらっしゃるでしょうし、家のようになるべく手出しをして欲しくない(かっこ悪いと思っているんですね、多分…笑)お子さんもいらっしゃるでしょう。まずはこっち側が決め込んでしまわないで「どうしたい?」と聞けるといいなーと思います。
さぁ2年生が始まりました。吃音を持った子ども達が、しょっぱい体験もしつつ、傷ついたり傷つけたりしつつ、彼らなりのやり方を見つけて行けるといいなぁ…と願うような気持ちです。
そうそう!月9のドラマを「ラブソング」を娘がたまたま観ていてビックリ!主演の女の子が重度の吃音者で、言語聴覚士さんも出て来ます。どうやって描かれるかはまだ未知数ですが、ただ「思ったように言葉が出ない」という、周りからしたら「命に関わる訳じゃなし…ただそれだけの事じゃん?」と軽く扱われるジレンマが伝わるといいなと思います。
小児MGの診断から2年!
△無事に幼稚園に入園しました^^! 元気な園生活になりますように…近所のお稲荷さんにご挨拶です。
はじめに。九州で地震の被害に遭われたたくさんの方、また被害は少なくても安心して眠れていないたくさんの方に心よりお見舞い申し上げます。取り急ぎ、募金くらいしか出来ていませんが、駆けつける事が出来ない多くの人が応援しています。
一日でも早く、必要な人に必要な物が届きますように。お腹を空かせた人々が我慢し過ぎませんように。難病だったりハンディキャップを持った方のお薬や治療の事など気がかりでなりません。チーは1ヶ月分のお薬を災害用にストックしてあります。ただ、苦みが大きいので水がないと飲めないし、清潔なスポイトじゃないとちょっと心配だったりします。医療者だけでなく、そういった患者さんや家族の細かいニーズに応えられるようなサポートが届いたら…と切に願います。
さて、私事ですが、皆さんからの温かい応援をいただき、チーの小児MGが今日で発症して2年を迎えることが出来ました。
鍼灸治療、卒業しました!〜ステロイドフォローの東洋医学〜
医療法人涼真会 茶屋ヶ坂東洋医学研究院(茶屋ヶ坂漢方・茶屋ヶ坂鍼灸治療院) | 鍼灸あん摩ナビ
チーの治療の経過を載せておきます。
△初めの退院直後(2014.6)
※顔の下部分や首周りのむくみ(いわゆるムーンフェイス)が出ています。
△カウンセリング後、初めての顔鍼(2014.6)
△本数が増えて来た(2014.7)
【7月再発、パルス3クール】
△この直後、入院(2014.7)。
※片目の瞼が落ちて、斜視も少し出ています。
△再発、退院直後(2014.8)。
※1ヶ月近く入院してパルス治療をしたので、またむくみと独特の顔色が出ています。
△退院後1ヶ月ほど(2014.9)。
※顔のむくみは少し残るものの、顔色は随分変わりました。
△退院後4ヶ月ほど(2014.12)。
※顔周りがスッキリして来たのが分かるでしょうか?細かい風邪を引きやすく、季節に合わせた漢方を処方してもらっていました。
△発症から1年(2015.4)。
※だんだん本数も貫禄を感じさせる物になって来ました^^;。
△(2015.7)
※上手に鍼を避けながらペタンコおにぎりを食べるの巻^^。
△(2015.10)
※泣いて暴れてびしょ濡れのチー。
△(2016.1)
※むくみ、顔色ともに良くなりました。
△(2016.3)
※先日の最終日。この後表紙の笑顔になりました。
この記事は、私にとっても治療を見つめ直す良い機会になりました。このまま再発無しで行きたい所ですが、気を付けていても再発する時にはしちゃうものなので^^;、体調に合わせてまた鍼灸院にはお世話になる事があるかもしれません。西洋医学以外に相談場所があるのはなかなか心強い物です^^。
想像を形にする 〜ヘアドネーションについて〜
△私のクセっ毛、どこかの誰かに届くといいな^^。
以前に友人からその存在を教えてもらってから、ずっとやりたいと思っていたヘアドネーション。4年の歳月を経て、ついに髪の毛の寄付をする事が出来ました。
↓ 詳しくはこちら
こちらでは、髪の毛の寄付を募ってウィッグを制作し、18歳以下の希望する方に無償でお譲りしているそうです。薬の副作用で髪の毛が抜けてしまったり、突然の事故で頭部の手術が必要だったり…事情はそれぞれでしょうが、他人が「坊主頭も似合ってるよ!君の魅力はそんな事じゃ曇らないよ!」と言ってくれても、きっと精神的なダメージは大きいと思います。それに周りに心配かける事を考えて、自分で抱えてしまう子も多いんじゃないかしら。
そんな時に、完全に寄付で成り立っている人毛100%の自然なウイッグが届いたら?カツラなんてヤダよ!…なんてなんだかんだ言いながらも、頭に載せて思わず笑顔になってくれたら良いなぁと思います。
これは大切で絶対に必要なんだ!…と信念を持った人がいて、周りから理解を深めて行って、どこかの誰かのために黙々と作業を続けている。そんな「こういうものがあったら良いな」という想像を形にした活動を思うと感動します。ひとつのウイッグを作るのに20〜30人の毛髪が必要だそうなので、寄付の量がそのままウイッグの数にはなりませんし、きっと地道な作業の連続でしょう。
最近は柴崎コウさんや水野美紀さんなどがツイートしたりで、認知度が上がって来たようですね^_^。31センチ以上というのは少しハードルが高いように思いますが、3〜4年で伸びます^^。日々あっという間に過ぎて行くので、次にドネーションする時にはこうなっていたいなぁ…なんて少し遠い目標にするのもいいかもしれません。
私にとってのこの4年は、チーの妊娠&出産があり、筋無力症の発症&入院があり、ブログの立ち上げに、聡悟の吃音治療のスタート…ほんとに盛りだくさんでした^_^;。バッサリ切られた髪を見て、何だか感慨深かったです^_^。
ヘアドネーションをする際には、ちょっと普段とカットの仕方が異なります。サイトを見て、美容院にも予約の際に希望を伝えておくと安心ですね。そしてカットしてもらった髪は束にして寄付先に送ります。この辺りも上記サイトで確認して下さい。
そうそう。私はもう一つ、世界の医療団の形成外科の支援(スマイル大作戦)をしています。以前たまたまショッピングモールで啓蒙活動をなさっていて、話を聞いたのがきっかけです。先天性異常や後天性変形などの、見た目や機能を修復・改善する形成外科の支援です。
そのとき話してくださった方が「生まれつきの疾患などが、周りの無理解によって「悪魔の子、呪われた子」と間違った差別を受けてしまうこともあって、家から出ないで生活しているお子さんもいらっしゃいます。日本の形成外科の技術は優れているので、手術の際には現地のお医者さんもたくさん見学に来ます。そういう意味で医療技術の継承も大切な活動になっています。」
「3日もかけて山を越え、歩いて手術を受けに来る患者さんも数多くいます。その手術は本人だけでなく、周りの人生も変えて行きます。ただ、生命に関わらない外見上の手術はただでさえ贅沢な事ですし、現地の患者さんにとって一生かかっても払えない金額がかかってしまいます。それをサポートする為の支援です」
途中おんぶをしたり野宿をしたりしながら、我が子の為に裸足で歩いて来るそうです。私にはその光景がありありと浮かび、その「ありありさ加減」(そんな表現あります?笑)が真に迫っていたので、支援を決めました。
普段はやりくりに頭を悩ませている専業主婦の私にとって、毎月継続の支援を決めるのは簡単ではありません。困った人は世の中に溢れていて、ともすれば我が身の不甲斐なさに落ち込んだり、キリがないと言えば確かにそうなってしまいます。
そこは金額にラインを決めて、私の場合ランチ2回分までと決めています。自分の身の丈にあった金額で、支援の先をありありと想像できること。ほんの少しの金額ですが、私のランチが2回分、遠く海を越え山を越えて小さな患者さん達に届くと思うと、その活動を丁寧に続けていらっしゃった団体の皆さんに頭が下がります。
斜に構えていろんな活動を「偽善だ、偽善だ!」と騒ぐのは簡単ですが、現地に足を運び、問題の大きさに落ち込んだり涙したりしながら、出来ることを1つずつ探して形にした人たちを笑う権利は誰にもありません。自分1人では小さな金額ですが、集めて届けてくださる人がいるのはありがたい事です。
5年、5年と言うけれど…。〜3.11に思うこと〜
【拡散お願いします!】小児MG眼筋型が難病から除外されたら困ります!
△発症当時(2年近く前、2歳直前)のチーです。パッチリしていた目がいきなりダランと閉じました。眼筋型の典型的な発症の形です。
まず、こちらのブログをぜひ読んでください。同じ小児MGのお子さんを持つママのブログです。↓
このブログを書いているぐらさんのお子さんは3歳で発症して今は小学生。ステロイドの「効果」よりも「副作用」が強く出てしまい、免疫抑制剤のタクロリムスを飲まれています。
これまで私のブログでも小児MGについての記事を色々と書かせて頂きました。チーは比較的ステロイドが効いたので症状が安定していて、今の所日常生活に支障はありません。ただ、この病気はステロイドや免疫抑制剤など、使っている薬によってもかかる金額が随分違い、難治性といって薬が効きにくいタイプ(入院が長引いたり、治療薬を色々試したり大変です)のお子さんもいらっしゃいます。
小児の間は医療控除があり、通院・投薬は無料で受けられる自治体が多いですが(これも自治体によるんですよ!名古屋は中学卒業までなので、他の地方の方から羨ましがられます…)、完治という考えをしない、あくまで寛解(症状が安定している状態)という病気な以上、いつ治療がまた始まるかは分かりません。
そういう私自身も、「難病」というのは自分の子どもが当事者になるまでとても遠いお話でした。国からの援助を請う為に、患者や家族自身が嘆願書を集めたり厚生省にかけあったり…色んな活動をされて来たであろう、それを想像する事もありませんでした。
でも当事者の家族になり、縁あって患者の会で色んなママとも知り合えて、社会の支援についてぐるぐる考える機会も増えました。皮肉な事に、当事者になる事で社会との繋がりが深くなった訳ですね(笑)。
さて、MGの眼筋型について、支援から除外される可能性が出て来たそうです。目の症状なら命に関わらないであろう…と軽い扱いにされたんじゃないかと思いますが、それはあまりに短絡的な考えだと思います。
目の周りの筋力が命令を聞いてくれないと、瞼に力が入らなくなり、眼球を支える筋肉も動いてくれなくなります。瞼が黒目の中心より下がってしまうと、脳が「こっちの目は使わなくても良いんじゃない?」と諦めるので、弱視になってしまいます。小児MGでは、この目の機能を維持するために一生懸命治療する事になります。ピンポイントで目の筋力だけに使える薬はないので、ステロイドや免疫抑制剤を使います。
こちらの先生が分かりやすい記事を書いて下さっています。
こういった支援は、貴重な税金を財源にして成り立っているのは患者もその家族もよく理解し、感謝もしています。MGだけの問題ではなく、マイノリティな難病の人も、当たり前に日常を送れる社会にして欲しいです。普通の家計の中で子どもの治療(薬代)に月に10万円近くもかかっていたら、みなさんならどうやって支払いますか?何も余分にお金を欲しい、とか、過剰な支援を望んでいる訳ではないのです。
ご自分の家族が、大切な友人が…と想像してみて下さい。病気と暮らして行くのは、ただでさえ学校生活や就職にも不便がある上、日常的に通院や治療を続ける必要があるのです。怪我などと違っていつまで頑張れば終わるというものではありません。
難病というのは、すなわち「難治性の病気」…。と言うことは、治るのが難しい病気なら全て難病ですよねー!その病気を難病に指定するとかしないとか、それだってそもそもおかしいんじゃないかしら。難病患者達は支援で贅沢をしたい訳ではありませんし、簡単に治るなら支援なんていりません。
どうか、マイノリティな弱い所を探して税金を節約するのではなく、自分たちの足元をよーく見つめて、無駄や贅沢はないか…をまず考えて下さい。弱い立場だったり身体にハンディを持った人たちも、卑屈にならず豊かな気持ちで暮らせてこそ、よい社会なんじゃないでしょうか。
チーの入院時、悩みながら病室の中から立ち上げたこのブログが、少しでも難病患者やその家族を身近に思ってもらえるきっかけになったら、こんなに嬉しい事はありません。興味を持って頂けたら、拡散をお願い致します。
どーもどもっちゃって12 〜知っててもらおうと思っただけ〜
△アハハハハ…あほ健在です^^!
こちらは、最近このブログでのもう一つの柱になりつつある吃音のシリーズです。
吃音ニイニ カテゴリーの記事一覧 - はまねこ&チー MGぐるぐる日記
先日、帰宅してからのニイニと私の会話です。(青が息子、紫が私です)
ーー学校でさー、取られるのが嫌なんだ、おれ。
患者や家族がシェアしていくこと
△すっかり元気なちびライダーです^^。
先週、チーが熱を出しました。12月に救急に運んだ時と似た感じで、急にバーッと上がり(1番高い時は39度8分まで…)、風邪症状もほぼなし、インフルエンザが陰性なのも同じです。時期的にインフルエンザととっても似た上がり方の熱なので、紛らわしい…^^;。
病院に行きましたが、やはり理由は分からず。ちょっと鼻水が出ていたので、抗炎症の薬だけ出されて帰って来ました。その旨を小児MG患者の会のLINEで相談してみた所、「大人の患者にはステロイドで熱を出す人がいる」という事を教えてもらいました。小児のステロイドで高熱という副作用の情報はなかなかヒットしないのですが、もし副作用と考えたら、腑に落ちる事がとても多いのです…>_<。
以前の熱と同じで2日程でふと気付くと下がり、後は元気いっぱいです。こないだ学習した低血糖だけ気を付けて、経口補水液は常備、細かく切ったリンゴをしょっちゅう食べさせていました。少し体力が回復するとペタンコお握りが食べられるようになったので、ちょこちょこ食べながら元気になって行きました。
さて、今回も患者の会での情報シェアによって随分気持ちが楽になりました^^。患者や家族にとって知りたいのは、医学的にどうこう…ってばかりじゃなくて、もっと日常の細やかな事だったりします。例えば、薬の飲ませ方一つとってもそう。プレドニゾロンというステロイドはとってもとっても苦いのです…T_T。しかも、苦みが誤摩化しにくい、口に残る苦さで、小さな子どもに飲ませるのに苦労するママも多くて。
お医者さんや薬剤師さんはいわゆる教科書に載っている「薬の苦手な子に説明すること」は説明してくれますが、我が子に飲ませる為に四苦八苦している訳ではありません(当たり前ですね…笑)。でも小児MGではステロイドは第一選択薬で量もよく計算されているので、飲めなかったねー、残念!では済ませられないのです>_<。それに風邪薬などと違って日常的に飲ませる必要があるため、毎回甘い物で誤摩化すのも虫歯が心配(虫歯も炎症なので、小児MGには避けたい所…)。
そんな時にも患者の会での情報のシェアは強いです。家ではこうしましたよ、こうしたら飲んでもらえましたよ、心配ですね、飲めるようになりますよう応援しています!…という言葉が帰って来ると、同じ悩みを持つ同士なのでとても心強い^_^。
それに、治療に関しての質問なども先生には突っ込んで聞きにくい事が多いものです。LINEで先輩ママたちに軽く相談してからなら、自分の考えをまとめた上で先生に会った時に効率よく質問が出来ます。小児の患者を持つ親同士、またはその病気の当事者なら、心配な事や先生とのやり取りなど、悩みに共感し合えるのが何よりの強みです。
運営して下さる方がいての患者の会なので、当事者や家族がざっくばらんに悩みを共有できる場所(今の場合はLINEになっていますが)を提供して頂いているのは有り難い事です。それぞれがそこから一歩踏み出して、近くの方同士が会って話したり、同じ病気の子ども同士で遊ばせられたり…そうやって枝葉のように分かれて繋がりが成長して行けば、孤独に悩む事は減らせるでしょう。また、最新の治療についてや新薬についてなど、ヘタしたらお医者さんよりも早く情報が回ったりする事も…^^。
また、先生を招いての診察会などは、その内容を主治医に話すと「え?!あの先生に診てもらえるんですか?それはどうやって診察しているのか、ぜひ私も参加したいですねー!」などと驚かれることも。もちろん運営して下さる方のネットワークと努力の賜物なんですが、病院同士の派閥なども関係なく、患者同士が繋がれるのはとても自由で良い所だと思います。
患者同士は治療行為こそ出来ないですが、日常のささいな悩みや子育てのストレスについてはシェア出来ます。病気になっても、そのほとんどは治療しつつの日常生活なので、お医者さんに解決出来る事ばかりではありません。それぞれが自分の言葉としてLINEで話し合って来た活きた知恵や情報は、これから同じ病気を発症する全ての親子にどこかで役立つはずです。
同じ事をニイニの吃音でも感じています。このブログで、私たち親子が悩んだりつまづいたりしてきた軌跡を残す事で、当事者やその親御さん、周りの人とちょっとでも悩みや情報をシェア出来たらいいなーと願っています。
どーもどもっちゃって11 〜周りがリアルに想像すること〜
△チーの誘惑に負けず宿題を頑張るニイニ(朝起きられないので、やらないと遊びに行けない決まりを作られた…笑)^_^。
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吃音ニイニ カテゴリーの記事一覧 - はまねこ&チー MGぐるぐる日記
珍しく続けてのニイニの記事です^^。
先日、特定非営利活動法人まねきねこさん主催の「子どもの多様性にどう接するか」という興味深い講習に参加して来ました。不登校、吃音、子どもの発達障害、大人の発達障害…どれも気になる内容でしたが、私が受けたのは吃音の講座です。聡悟が通うつばさ吃音教室の羽佐田先生が講師の、通り一遍ではない心のこもったとても良い講座でした。
講座の前に同じ吃音のお子さんをお持ちのママと言語聴覚士の方とお茶する機会をいただき、有り難かったです。私はこう見えて(どう見えて…笑?)案外人見知りで、1人でも構わないタイプなので、誘って頂けないとそういう機会が得られないのです。まぁそれはさておき…、お互い当事者になれない親という立場、治療に携わる言語聴覚士という立場で興味深いディスカッションが出来ました。
学校とのやり取りに関しては、多分どちらの親御さん(関わる言語聴覚士の先生方)も試行錯誤の連続だと思います。我が家も入学時、以前にからかいが出た時、先日のプチ登校拒否、と、何度かやり取りがありましたが、その辺りの学校対策?と言うのか、伝える方法や良かった事をシェア出来たらいいね…と。
どんな事でも、色んな誤解を防ぐ為にはまず相手の立場に立って考えてみる必要がありますよね。“吃音”という症状をあまり知らない先生(一般常識として吃る人がいる、とは知っていても…)にとって、30名からいる生徒の中「我が子は吃音者です」…と突然言われたらどう思うかを想像してみると、「で…?えっと…どうしたら良いんでしょう?」とキョトンとされても無理はないんじゃないかしら。それは決して冷たい反応ではなく、正直どうしたら良いのかが分からないのでしょう。
もし私が先生なら、専門的な知識(吃音の成り立ちやその治療の難しさなど)よりも、教室において楽しく過ごすためにどんなフォローが出来るのか、具体的な対処法(本読みを2人で行って下さい、朝の出欠時の返事は無言で手を挙げることにして下さい…など)が知りたいと思います。そう考えると、本人と学校のお互いの為の、より具体的に分かりやすい提出テキストが作れたら良いなーと思います。
もう一歩踏み込むなら、もし自分の子どもがからかった側で、学校から電話がかかって来たことも想像してみます。子どもの悪気のなさを前提にして、相手の痛みについてどう話せばリアルに伝わるでしょう?「電話かかってきてママが叱られたでしょ!?…もう絶対あの子にそんな事言っちゃダメだからね!分かった?!」ではいけない、とは分かって頂けるかしら(笑)。ウチの場合は吃音でしたが、人と違う所を探してからかうのは子どもにとってはやりがちなことですし、いつでもそちら側にいくかもしれないですよね。
とはいえ、当然ですが、吃音の子どもだってひとくくりには出来なくて、一人一人個性が違います。皆の前でカミングアウトして欲しい子、からかわれた時にその相手にだけ注意して欲しい子、ぼやかして欲しい子、ハッキリ言って欲しい子…その対応はそれぞれ違うはずなので、どれが正解かは正直難しい所です。授業中にトイレに行きたくなったって、それすら言えない子どもが多いので、人と違って目立つことがどれだけ嫌な物かは大人は考えてあげないといけないですね。
常日頃、それが気になっていたので、その旨を講座の中で先生に質問してみた所、当事者である子どもにどうして欲しいかを丁寧に聞いて下さいとのこと。あなたはどうして欲しい?と本人と相談した上で親や先生が動いた事なら、たとえ上手く行かなくてもそれ程のショックはないものですよ、と言われました。ごめん、やってみたけど上手く行かなかったね。次はどうしてみる?と正直に話し合える関係が築けたなら、少なくとも大人は自分の考えを聞いてアクションを起こしてくれる…という実感が湧くはずだし、とても心強いことです…と。
どんなことにもメリット・デメリットが発生するので、それを秤にかけてよく考える必要があると繰り返し仰っていました。例えば、吃音のオープン化もそうですね。大げさにされて嫌だった、言葉について意識するようになってしまったというのがデメリットなら、知ってもらえたことで周りに認識されて隠す必要がなくなった、というのはメリットでしょう。
大切なのは上手く行くことそのものよりも、よかれと思って動く際、当事者である子どもがちゃんと参加していることなのでしょうね。からかわれたとしても、本人はヒステリックに周りを敵にはしたくないはずです。ひどいこと言われたね、ほんとに!…と誰かに憤慨してもらうと案外自分は冷めて行くものですが(前回のバアバのように…笑)、それと同時にどうしたらやめてもらえるかを一緒に考えられたらいいなと思います。そりゃからかう方が悪いに決まっているのですが、人の口を塞ぐことは出来ないし、そもそも子どもは先生の前でからかったりはしません。先生に注意してもらうのも案外難しいと理解しないといけないですよね。
辛さや悲しい思いをした時に、話してみようと思える場所に自分(ではなくても周りの大人)がいられるかどうか。解決出来なくても一緒に考えてくれる人だと子どもに思ってもらえるかどうか。悲しませたり心配させたくない…といじめられていたことを言えない子どもは多いようですが、ダメもとでも話してもらえる相手でいたいなぁと思います。
毎度実感する事ですが、チーの病気にしろ聡悟の吃音にしろ、周りの誰も当事者に変わる事は出来ません。これから何度となく立ちふさがるはずのからかいなどの壁は自分なりの超え方を見つけて行く他なく、親がフォローしてあげられるのはほんの少しだけです。子どもは子どもなりの世界(正論が通用しない世界ですよね…笑)でやっていかなくてはならないのです。
ただ、先生を含めて一緒に悩んで行くことは、関わる生徒たちにとっても決してマイナス面だけではないでしょう。なので、皆に配慮してもらうことは「迷惑かけて申し訳ありません」…と、こちらがあんまり卑屈になるようなことでもないと思います(迷惑だ…と思う方がいるのは承知の上で…笑)。一緒に素敵なクラスにしていきたいですね!と胸を張ってしまっていいんじゃないかなぁ。
ちなみに私はその昔(3歳頃かな?)一度失語症になったことがあります。その時の、声を出そうとしてるのに空気が喉に詰まった感じ、話し出す時の緊張感、口をパクパクしながら不安だったのをよく覚えています。初めは聞くつもりになってこちらに注目したり心配していた母親の「いいかげんに喋りなさい!いつまでそんなふざけてんの?!あんた話せるんでしょ?」という怒声も覚えています(こ、怖い…笑)。どんなタイミングで治ったのか今では思い出せませんが、自分の身体が自分でコントロール出来ないような心もとない気持ちは今もありありと思い出せます。
きっと吃音者が辛いのは、普通に皆が出来ていること…下手したら2歳や3歳の子どもでも出来ていること、スラスラと話す、ただそれだけのことに躓いている所でしょうね。身体のどこが悪くてもそれぞれ大変かと思いますが、コミュニケーションに欠かせない言葉で躓くのは自己肯定感を低めてしまっても無理はありません。吃音を持っている子どもにとって学校生活は小さなハードルがいっぱいです^^;。
・朝のあいさつ
・本読み、発表
・放課の冗談の言い合い
・挙手して、返事して、答える
まずは想像してみることから始めてもらえたら…。先生に指され、自分1人で立っている教室…答える準備は出来てるのに、頭で思ったことが口から出て来ない…。ジッと立ったまま答えられないでいると「分かんないのに手あげるなよー!」なんてクスクス笑われたり。注目されればされる程詰まっちゃうので、分かったのに手を挙げようか迷ってしまったり、放課でも楽しい話題に入るタイミングを逸してしまう…そんな毎日な訳です。多分細かくて大変なストレスですよねー!!
当事者になれない以上、リアルに想像して自分なりによかれと思う所をいくしかありません。逆に考えたら、一緒に考えることだけはどんな人だって出来るはず。吃音のことだけじゃなく、大人たちの社会でも、マイノリティな方への理解が少しずつ浸透して行ったらいいなぁと願います。今回の講座にも「吃音と思われるお子さんがいらっしゃって。どうやって接してあげたら良いのかヒントが欲しくて参加しました」と仰る発達支援学級のヘルプの方や学童保育の指導員の方がいらっしゃいました。一生懸命メモを取る姿に、君たちの周りにも、助けてあげたいと思ってくれる人はきっといるよ…と吃音に悩む子ども達に伝えたくなりました^^。
有意義な講座に参加させて頂き、ありがとうございました。