はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

社会を信用してないと言う事

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先日、とても悲しいニュースがありました。先天性ミオパチーという難病の3歳の女の子が虐待死したというものです。難病の子どもを持つ親として(症状などは全く違うでしょうし、もちろん一概には言えませんが)、とても他人事とは思えません。チーが入院中にもミオパチーの患者さん親子とお話ししていて、余計に悲しい思いでいっぱいです。
 
私はたまたまチーが3人目の子どもで、母親1年生ではありませんでした。そのため上の子ども達のママ友に、心身ともにとても助けてもらえたし、実家も近かったのでラッキー(…って言うのも変だけど?)なケースと言えるでしょう。
 
でも、両親共に実家が遠い、例え近くにいても親や周りの人に頼る事が難しい、そんなママ達も沢山いると思います。自分の子供に難病を宣告された(先天性と言う事は生後すぐに診断が下りたのか、おかしいな、と思って受診したのか…それによっても変わりますが)そんな時に、肉親や友人以外で相談出来る場所が思い当たりますか?
 
病院の先生や看護師さんは病気についての相談には乗ってくれます。でも、患者や家族にとっては病状云々ももちろん重要ですが、病気という現実を受け止め、人生を恨まず、何とかして前を向いていく…という、日常生活の中で超えなければならない壁があります。どうして?という不安感や、金銭的な圧迫感を感じる方もいるでしょう。現実問題、相談出来る場所として行政を思い出す人はいるのかしら?
 
以前こちらのブログでも紹介しましたが、難病の為の支援制度はいくつかあります。ただ、それは決してメンタル面の支援ではありません。第一、社会の窓口である役所に相談に行く…という選択肢をほとんどの方は持っていない訳ですよね。そんなに信用されない社会ってどうなんだろう?と思います。
 
虐待などのニュースがある度に、民生委員の方たちが会見を開いていますが、本当に心から悔しい思いをされてる方も多いんじゃないかなぁ。一度でも会った事のある子供だったら、その後悔は胸から離れる事がなくなるかもしれません。助けようにもSOSをちゃんと出してもらわないと出動できない訳ですし…。
 
地域社会がちゃんと生きてる場所以外では、近所のおせっかいなおばさん達も珍しくなってるし、知らない子が家に出入りする事もありません。難病の子は産まれる場所を選んでやって来る、と言いますが、その家だけで受け止めさせるのは酷だよなぁと思います。3歳の女の子1人くらい、夕飯に混ざって食べてたって全然構わないのに…でもそれって友達や親戚じゃないとすごーく難しいですよね。
 
もし若いママが周囲の反対を押し切って出産して、そこで子供が難病を宣告されたら?その人がシングルマザーだったら?きっと一生懸命に探したなら、どこかに相談出来る場所があるかもしれません。でもそんな気持ちになれる人ばかりじゃないですよね。母性は妊娠したら誰にでも当然備わって、ママになった途端に何でも超えられる訳ではありません。それが出来ないと人間失格みたいな扱いをされるのは違和感があります。
 
若くして妊娠・出産をした母親や、幼い父親を批判するだけでは問題は解決しないでしょう。ダメ元でもちょっと頼ってみるか…と思える場所にみんなが辿り着けるよう、不安感を共有して「大変だった」と素直に泣ける人に出会えるよう、願ってやみません。その為にはどうしたらいいのか…先日からずっとぐるぐる考えているのですが、答えは見つからず。
 
ちなみに、私が今お世話になっている患者の会も、自分で調べて辿り着きましたし、病気を受け止め、それに向かってアンテナを張るのはとても大切な事だと実感しています。ただ、全部が全部自己責任、他人事には無関心でいると、いざ自分が誰かに助けてもらいたい時に頼る術を持てなくなります。「困った時はお互い様」を死語にはしたくないですよね。
 
何の為の選挙か分からない社会の状態と、1人きりでひっそりと息を引き取った3歳の女の子のあまりにものギャップにぐるぐるは止まりません。