はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

どーもどもっちゃって2 〜学校生活について〜

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△はりきりニイニとお付きのチー^^。

 

さて、先日ニイニの吃音について書きましたが、その後の動きを報告します。まず、時間を作って頂きたい旨の手紙(ごくごく丁寧な文章で…笑!)と、吃音の本に載っていた先生用の資料を子供を通して渡し、担任の先生に懇談会の後お時間を頂きました。

伝えたい事をまとめておいて、なるべく簡潔に。大変そうだわ…とは伝わったけど、何だかぼんやり終わってしまうのは1番避けたいパターンですからねー^^;。

 

吃音は本人の努力でどうにかなるものではない。

ゆっくり話してごらん、とか、もう一度言ってごらん…と言われても、上手く話せる訳ではないこと。慌ててるからどもるんじゃない、ということ

 

小学校に入って張り切る際(発表や本読みなど)に出やすい。

分かる!と喜んで手を挙げても、初めの言葉が出てこない事が多い。答えが分かっていないのに手を挙げてる、と思われると傷つくということ

 

低学年の悪意のない(?とは言えない場合も…)からかいや真似はトラウマになりやすい

ヒステリックに相手を叱りつけるような気持ちはないけど、わざとしてるんじゃないから笑わないで欲しいこと

 

主にはこういった点ですが、なるべく吃音に関してもオープンにして行きたいと伝えました。つまり、他の生徒から質問されても「そんな事言うんじゃありません!」とはぐらかさないで、吃音っていう症状(とは言わなくても)だから話し終わるまで少し待っていようね…と言うような、なるべく受け入れてもらえるように導いて欲しいと言う事です。

 

吃音者は100人に1人位の割合だそうです。軽い方から会話が困難な重度の方まで色々ですから何とも言えませんが、話す事自体にコンプレックスを持ってしまうと、こじれて行く人も多いとか。

 

今から書く文章は以下の本を読んで私なりの解釈をしたものです。

 

Amazon.co.jp: 吃音のリスクマネジメント:備えあれば憂いなし: 菊池良和: 本

 

Amazon.co.jp: 子どもがどもっていると感じたら―吃音の正しい理解と家族支援のために (子育てと健康シリーズ): 広嶌 忍, 堀 彰人: 本

 

吃音を気にするなってどういう意味?

これはほんとによーく言われる事です(笑)。でも「気にしなければそのうち治るんじゃない?」って勘違いする人も多いと思う…。確かに幼児の頃の吃音は、知らないうちに治っていたというケースもあるらしいですが、「気にするな」というアドバイスは、避けたり無視したりする事じゃなくて、まずはそのまま受け入れよう、という意味。

 

ゆっくり話してごらん、とか、慌てないで落ち着いて!というアドバイスは何の効果もないそうです。何度も言い直しをさせるのは単なるストレスにしかならないので注意が必要です(だって、自分だってそれやられたら嫌ですよねー!)。そういう事を言わない、話したいように話させてあげるのが「気にしない」という意味。

 

また、吃音で悩んだ子供が「僕はどうしてこんな変な喋り方なの?」って相談して来たのを「気にするな、そのうち治る!」と、はぐらかす事とは根本的に違っています。

 

吃音者の家族ができること

どもりたくない…と意識すればする程、自然に言葉が出てこなくなるのが吃音の特徴でもあります。吃音者の話し方だけに家族が注目してしまうと、会話が楽しめないですよね^_^。上手・下手をジャッジするのはコミュニケーションじゃありません。何を伝えようとしてるのか、内容を聞いてあげること。

 

治そうと本人が思っているなら、一緒に治療法を試してみるのはもちろん大切ですが、完治を目指すのは酷だと知っておくこと。親や家族がそこに向かって必死になってしまうと、上手く出来ない事が大きな挫折感になってしまいます。髪を振り乱して車を2時間もすっ飛ばして、さぁあなたの為にこんな所まで来たのよ!結果出しましょうね!…なんて言われたら、、、そりゃ怖過ぎですよー!治りたいよね、スムーズに話したいよね。でも何を言っているのかちゃんと伝わってから大丈夫だよ。という位の肩から力の抜けたスタンスで付き合えたら…と思います。

 

吃音をタブーにしないこと

自分の事なのに、コソコソ深刻な顔で話し合われたら嫌だと思うんです。子供だって、ちゃんと分かるはず。その話題をタブーにしちゃうと、子供にも「隠さなくてはいけない、恥ずべきこと。治さなくちゃいけないこと」と刷り込まれます。

 

理想は本人が周りにカミングアウト出来る環境だそうです。子供の中では何だか分からない、お友達とは違う…つかみ所のない不安な症状でしょう。吃音という名前をちゃんと教えて、あなたが悪い訳じゃないんだよ、と伝えてあげるのも大切だと思います。

 

我が家の吃音オープン会議

さて、我が家の吃音Boyですが、先日お風呂で「何か話しにくい言葉で困ってる?」と聞いたら「はい、げんきです、の「は」が出ないの」と。よく聞くと、出欠の際に名前を呼ばれたらそう答えるらしく、もうすぐ順番だ…と思うと「………は、は、」となってしまう。2人で遊びながら練習しましたが、「こ、ここではうまく、い、くの。おれ、いっつもげんきなんだ、だけど。げんきって言うのが大変なの」と。

 

連絡帳にその旨を記入し、どうしてもらいたい…という話ではないですが、と前置きして、かくかくしかじか…と家での様子をお伝えしました。お風呂で一緒に練習しましたが、いつも元気だそうです。と書いたら、先生から「たしかに出にくそうな時があります。でも顔を見たらニッコリしてるので、今日も元気だね!と笑って次の子供に移ります」と優しいお返事を頂きました。

 

先生はお若くて、吃音の子供を持つのが初めてだそう。聡悟との出会いが今後の教師生活にきっとプラスになると思います(いや、決して上から目線で言っているのではありません…笑)。だって、大人達が多様性を認めないで、子供に「いじめは良くない…」とか言葉を重ねても説得力がありません。人と違うこと、少しフォローがいること、工夫をしながらコミュニケーションを取ること、どれを取っても社会で必要なスキルですよね。

 

今日の食卓で「吃音の人ってどれ位いると思う?ちなみにチーちゃんの病気は2万人に1人。学校で言うと20校に1人位なんだ。そう君みたいにお話する時につまっちゃう人はね、100人に1人位なんだって。ちょうど1年生に1人位いるんだねー」と話しました。

 

実はお風呂で隣のクラスの男子に真似されてからかわれた、と話して来たのです(この件に関しては連絡帳に書きました。叱って欲しい訳じゃなく、学年に周知してもらった方がいいな…と)。今日は我が家にとってちゃんと話をする機会でした。「からかって来たら、おまえかっこ悪いなぁ!って言ってやんな」と言ったら笑っていました。ママは人と違う事を笑ったりからかったりするのは1番かっこ悪いと思ってる。きっと、そう君はそんな事しないし、そういう事されてる子がいたら守ってあげられるよ。かっこいいねぇ!

 

それに、ママこないだ先生ともちゃんと話したよ。…と言ったら「せ、せんせい!知ってるの?」と思いがけずに嬉しそうな顔をしました。もっと早く話してあげたら良かったな…と反省しつつ、「先生は学校でのお母さんだと思って、何か嫌な事あったりしたら話してねって。忙しそうだったら帰ってからママに話そう。それにね「お話する時に詰まるくらい、ぜーんぜん大丈夫ですよー!!聡悟君大好きですー!」って言ってたよー」と伝えたらすごく安心したようでした。やっぱり学校は緊張する場所だったんでしょうね。味方がいる、と思えるのは大きな力になると思います。

 

チーちゃんが病気をして、その前のチーちゃんと何が違ってる?病気をしないに超した事ないけどさ、病気になったのはチーちゃんが悪い訳じゃないし、治っても治らなくても同じ可愛い妹のチーちゃんじゃん。それと同じなの。そう君が上手くお話出来ない事はそう君が悪いんじゃないんだよ。同じママのかっこいいそう君なんだ、分かるかな?

 

その時ははにかんで聞いていましたが、改めてベッドで「おれ、どうして、こんな、しゃべり、かた、なの?」。きっと彼なりにぐるぐる考えていたのでしょうね。「それがさー!ママも最近めちゃくちゃ勉強してるの。ちょっとした吃音博士だよ!でもねぇ、めちゃくちゃ頭のいい博士がいっぱいで考えても、原因が分からないんだって」「おれ、でも、なおる気がしないな」「うーん、いきなりスラスラお喋りになるのは難しいかもしれないね。でも、ゆっくりでも何を話したいのかが伝わってたらいいと思うんだよ。もし練習出来ることがあったら教えるね」と言うと、安心したみたいに寝たのでした。

 

はっきり言ってしまうと、色んな本に「完治を目指さないで共生していくべき」と書いてあります。それも一理あるのですが、絶対に治らないものだと認める必要もあるのかな?…と。まぁ治っても治らなくても、卑屈にならないで彼らしく人生を楽しめたらいいな…と思っています。

 

こうやって距離を置いて考えられるのも、チーの難病のおかげかもしれません。彼女の病気に置き換えたら、何でも認める気になりますよねー(笑)。世の中、しゃーない事がいっぱいなんです。こないだ「チーちゃんも病気だって言うのに…お兄ちゃんも吃音なんて、あなたも大変だね」というような事を言ってもらったのですが、どうも大変さにピンと来ないのは、私が楽天的だからでしょうか…??