はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

組体操に思うこと 〜6年生とぐるぐる考える〜

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△ハートに見えなくもない…運動会とは関係ない日の青空です^_^。

こちらのブログでテーマになるのは初ですね!今日はチーのネエネの話題です。

先日の小学校の運動会での出来事。長女が6年最後のプログラム、組体操の倒立(2人1組で逆立ちをして相手が足を支える)で、娘が倒立する側だったのですが、相手が足を受けられずド派手に倒れました。ありゃ〜と思ったら、すぐに立ち上がりもう一度。それも倒れて、皆がきれいに揃っている中で失敗ペアに。

その後のサボテン(娘が下で肩車→娘の足を土台にして上の子が立ち、ポーズ)も上の子がすぐに降りてしまいました。

帰宅してから、残念だったね、痛かったんじゃない?と聞くと

娘「あれは痛かったけど、倒れる覚悟でやったから分かってたんだ」


私「ん?受けてもらえないかもしれない…と思ってたってこと?」


娘「うん。相手の○ちゃんはすっごく恐がりなの」


私「足が飛んで来るのが恐いの?」


娘「そう。○ちゃんは上に乗るのも恐かったんだよ、ほんとは。だから支える側と乗る側を変えてみたけどダメで。それで、先に私が転倒して恥ずかしい所を周りに見せたら、吹っ切れて恐くなくなるかもしれない…と思ってさ。やってみたけどダメだった(笑)」


ゆっくり話を聞くと、練習の時から色々ペアの変更があったようです。あれはなかなかペア決めが難しいようで…体重差と身長差のバランスがちょうど良くないと成り立たないんだそうです。同じくらいだとお互いが支え合えないので、少しの差を探り合うとのこと。

ああでもない、こうでもない…と、ペアが二転三転して、始めは成功していた相手からの変更だったようです。しかし、子どもたちなりに何とか成功する方法はないか…と自主練したり、工夫があったと話してくれました。


娘「結局失敗しちゃって、私も恥ずかしかったなぁ。でも◯ちゃんも最後の最後までやっぱり恐かったんだなぁー」


私「いくちゃん(娘)たちペアのこと、誰かが失敗って言ったとしても、ママは倒れてすぐ 立ち上がってもう一回トライした2人のこと、すごいなぁ…と思ったけどなぁ。何をもって成功っていうか分かんないけどね」


娘「いや、誰も嫌なこと言わなかったよ、分かってたしね。しょうがないとみんな思ってるんだ」


そして、しばしの沈黙のあと…


娘「でも…ペアが変わった子が成功してるの見ると、ほんとは悔しかったなぁ!」


私「そかそか。そりゃそうだわね!全くまっとうな感覚だよ、悔しかったよね。誰が悪いとかじゃなくてね。どーせダメだし、やっぱ出来んかったし…悔しくないし!って言う方が心配だ」


娘「他のクラスの先生が「全員成功、おめでとう!」ってすごく喜んでくれてたんだけど、成功って言われるのはちょっと違うんだ。うちら成功はしてない…しょうがないんだけどね」


私「そっか、なるほど。でも、今回の経験と度胸は、多分組体操じゃない所でパワーになるんだよ。いつか分からないけど…。相手のことを考えられたこと、どうにか出来ないか工夫したこと、当日も諦めなかったこと、そういうのが関係ないような場所で大きい力になるんだよ」


娘「多分あれ以上は出来んかったんだけどさー、あぁあ、やりたかった!!」


長くなりましたが…こんなやり取りがありました。

組体操には色々な意見があると思いますが、先生方が「命令に沿って生徒をキビキビ動かすこと」や「周りを驚かすくらいの成果(ピラミッド◯段とか…)」に執着してはダメですよね。それではベクトルが教師や学校側に向いています。

今の子どもたちの運動神経に合ってるのか…という問題もあるでしょうし、なかなか皆が納得する答えは出ないものかもしれません。また、この転倒で娘がひどいケガをしていたら、私も冷静でいるのは難しいと思います。

ただ、今回の娘の経験を踏まえて思ったのは、成功するために、それぞれ子どもたちが知恵を出し合う場所に出来たなら、それこそが成果なんじゃないかしら。主体が誰なのか、何のためのものなのか…が、きちんと子どもたちの方向に向いていること。運動神経の良い・悪いを超えて、皆の成功を願えるなら、なかなか良いものなんじゃないかなぁ。

もちろん、ケガされた本人やご家族の方にとっては、そんなことのためにリスクが大き過ぎる…との意見もよく分かります。ただ、そういう組体操は求める理想が高過ぎたのかもしれません。

私自身は組体操は恐くて出来る気がしなかったし、当日も「雨が降らんもんか」…と空を見上げていたような子だったので、◯ちゃんの気持ちが痛いほど分かります。

娘が「◯ちゃんが、だいたい全部恐いって言ってんのにさ。私の倒立が勢いあり過ぎたんだな、きっと。あんなん飛んできたら私も恐いわ。そーっとやれば良かったな」と、相手を責める気持ちを持たないでいられたこと、(万年反抗期…家では完全なる暴君の彼女ですが…笑)、親の知らない所で成長してるんだなーと思いました。

多様性を声高に叫ぶのは簡単ですが、自分や子どもの個性を認めさせることを望む前に、相手の個性を認めてすり合わせる努力や工夫こそが生きるスキルになると思います。

もちろん、出来ないことを責めるだけじゃ問題は解決しなくて、コンプレックスでがんじがらめになるだけでしょう。出来ないことをまずは認めて、そこから一歩を踏み出す応援に一生懸命になれたこと、それが6年生の彼女なりの答えだったんだと思います。

危ないこと、リスクが高いこと、クレームが付きそうなこと…そういうものをどんどん大人がどかして行ったら、失敗の気まずさや危なさと同時に、成功のための工夫や努力、達成感も失くしてしまう気がします。

ハナから運動について投げ出してた私が言うのも何ですが…笑、もっと出来るはず!って、悔しかったりするのって、大事だと思うけどなぁ。