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はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

逃げるについて考える 〜息子の見事なスタコラサッサ〜

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△「オレ…?逃げるよ、そりゃ!」の茶々丸

 

すっかり遅くなってしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。

2017年も時々更新のぐうたらブログをよろしくお願いします^^。

 

まずは年末から気になっていたチーのプチ再発ですが、鍼灸治療の効果が少しずつ現れて無事に瞼は全開しました。効果がしっかりと出るまでは2〜3週間ほどかかりましたが、鍼灸の先生によるとそれくらいのスピードでの回復が丁度いいそうです。

 

この時期特有の風邪っぽい症状と、まだ時々斜視が出ているので、ステロイドの減薬は一旦ストップして、引き続き週に1度の鍼灸治療で様子を見て行く予定です。このまま春を迎えられたら良いのですが…悪化したらその時考えるしかないですしね^^;。

 

さて、最近何かとこのブログで取り上げている息子ですが、今日は彼の逃げっぷりについてお話ししたいと思います。

 

あれは幼稚園に入園したばかりの頃。

 

「黄色い名札の子がさー、毎日オレにこうして走ってくる」

と、私に拳を振り上げて追いかける真似をして見せてきました。

「あらまぁ。それで?」

「こないだは階段逃げて、まだ来るから上靴で砂場まで逃げた」

「ほぅ、捕まんなかったの?」

「うん、オレのが足が速ぇし…!」

となぜか得意顔…(笑)。

 

(なるほど、完全に弱者としてのスタートだったはずなのに、途中からかけっこ的なことになった訳ね…我が子ながらポジティブというかなんというか…笑)

 

いつもはひどい扱いをしている姉(当時2年生)ですが、鼻の穴を膨らませて「どんな子なの?聡悟が何かしたの?名前は?先生に言った?」と、私よりもずっと腹を立てています。「しらん、オレ何もしとらん。でも会ったらよく殴り掛かって来るんだ」とのこと。

 

本人にとっては、相手に対する怒りの感情はないようで、よく分からんけど殺気を発して来たから逃げる…というごくシンプルな(笑)。

 

それが2年生になっても同じようなことがありました。クラスに少し変わった男の子がいて、聡悟のクレパスや文房具を持って行って使い切ってしまったり…どうも聡悟のことが気になる様子。ジャイアンといったイメージではなく、自分なりの何かルールなりがあって、それに乗っ取って行動している感じでしょうか。

 

その子もいきなり殴り掛かって来る…と言うのです^^;。朝登校時に足取りが重くなって来て、「何かあった?」と聞いても初めは何も言わず。しばらくして「オレと好きな色が一緒だから、クレパスとか持って行かれるのも困るけど、いきなり殴り掛かって来るのはもっと困る」と話してくれました。

 

「あーあ、行きたくねぇなぁ…」と言うので「全然知らなかったよ。先生と話してあげようか?」と聞くと、「いつ?いつ電話する?今?」…と。結構困ってたんですね…>_<。


「その子に殴り掛かられた時はどうしてるの?」と聞いてみたら、

「やられる前に逃げる!」

「逃げられるの?」

「うん。こないだ上靴で校庭まで逃げた!」

……あれ?どこかで聞いたことあるような…(笑)。

「追いつかれなかった?」

「オレのが速ぇから!○○の後ろからセンセが追いかけて来て、オレ、○○、センセの順で校庭回ってた。最後にセンセが追いついて、○○のこと捕まえた」

……現代版ちびくろさんぼ的な?いや、笑っちゃいけませんね、本人真剣ですから^^;。

 

この後先生とやりとりして、相手のお子さんが他でもトラブルがあったようなので、学校で加配の先生を付けてくれることになりました。

 

逃げる、ということがらについて、彼は格好悪いことと思っていないようです。

「上靴で逃げる時、みんないなかったの?」…と聞いたら

「何人かにぶつかったけど、オレ急いでたからさ、そのまま走った」

誰かに見られながら、自分が悪くないのにどうして逃げないといけないのか?という所はあまり気にしていないんですよね。

 

理由を聞いても「考えたけどよく分からん。ママ、何でか分からんってさ、めちゃくちゃ怖いんだよ。急に殴って来るからさ、だから逃げるんだ!」…と言います。

 

人って本来は動物なわけだから「生き抜く」により近い行動をするものだと思うんです。殺気を感じたら動物だって逃げますよね。ライオンから逃げるサバンナのシマウマを誰も笑ったりしません。でも、人間のように「格好悪い」とか「弱い」という価値観がそこに付加されちゃうとどうでしょう?逃げない、負けない、の方が良いイメージがありますね。

 

一昔前なら、「向こうが悪いのに逃げるなんて何事だ!?男ならやられたらやり返せ!」と言われた所かもしれません(笑)。でも私は「よく逃げた!」と思いました。原因の見えない突発的な暴力は、こちらの対応次第で相手にとっても不要なまでの暴力を引き起こしてしまいます。追いかけてるうちにクールダウン出来たなら、その子も救われたんじゃないかしら…と思って。

 

暴力をふるってしまう子がその拳を振り上げた時、引き返せない何かが生まれてしまう気がします。振り下ろしたらお終いですもんね。そのきっかけを奪う手段として「力一杯走って逃げ出す」のはなかなかいい方法かもしれません。

 

もちろん、そんな立派な男じゃないので、逃げるべきじゃない時にも逃げていますよ、彼は(笑)。宿題をやらない子は放課を使って宿題をやる、というペナルティがあるのですが、「毎回逃げられています」と先生から電話がかかってきました。宿題から走って逃げといて、いけしゃあしゃあと戻って来るあたり…ほんとに図々しい!!相変わらず平謝りの母です。

 

「若いもんは嫌なことからすぐ逃げ出す」社会に出てから上司の皆さんが頭を抱える問題の一つです。ただ、何から逃げるのか。あまり波風立てたくないタイプの若者がブラックバイト→そのまま正社員でブラック企業にはまってしまう、そんな話題もありますね。人として疑問を感じるような内容であれば、どうしてもやれないこともあるかもしれません。ちょっと怒られただけで仕事に来なくなっちゃう…というのは考えものですが、大人側が年齢に関わらず相手に尊敬の念を持って接するのは大切だと思います。

 

どうしてもプライベートで笑えなくなってしまうようなら、安心出来る場所に一旦逃げて、自分はどうしたいのかを真剣に考えるのは、生きるために必要な逃げでしょう。日本でこんなに自殺が多いのは、上手に自分を逃がしてあげられないからなんじゃないかなぁ。

 

命が危ない時、相手の暴力が向かって来た時、自分が大事にしている自分自身が汚されそうな時、みんなにぶつかりながらも一目散に逃げるのは大切な生きるスキルになるかもしれません。逃げた場所に戻らなければいけない場合、大きな勇気が必要になりますが、嫌なんだという意思表示にもなると思います。

 

もちろん逃げない方が自分のやり方に合っている方もいらっしゃるでしょう。それぞれのやり方が見つかればそれが1番であり、違ったやり方を否定するものではないですよね。ただ「向き合う」の反対が「逃げる」ではなく、逃げてこそ大切なものが分かったり、そこから向き合える人だっていると思うので、みんな逃げてく人を笑わないで欲しいな^^。

 

そうそう。面白い話を聞いたのですが、私たちの多くは逃げ延びた人の末裔だという話です。昔々戦の時代にも血の気の多い人ばかりではなかったでしょう。中にはその時になって、雄叫びを皆が上げながら走り出す中で「やっぱ戦うの嫌だな」と逃げた人がいたんじゃないかって。そして知っている人がいない所まで逃げて、所帯を持って生きていったと考えられるそうです。みんながみんな血の気の多い人だったら、お互いが皆殺しを繰り返し、子どもを残せるような年齢の男性の数が極端に減ったんじゃないかな。

 

戦国時代は戸籍に囚われない分少しはゆるかったかもしれないけど、戦時中はもっと逃げることに関してはシビアだったでしょうね。軍隊から逃げ出すというのは、当時は見せしめのために私刑にされたりしたと思います。みなに同じ価値観でいてもらわないと困る訳ですから「逃げること=卑怯者」という図式が最も強くアピールされるのは戦争でしょう。

 

そう考えると、自由に逃げられるのは、平和な証拠なのかもしれないですね^^。息子は正しく逃げる時ばかりじゃないですが、見事なスタコラサッサが出来る男です。本当の自分を守りつつ、いつかどこかに辿り着いてくれたらいいなと思います。