はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

ニイニがwiscを受けたこと 〜自分の取説を持つ、ということ〜

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こちらも久々、ニイニの登場です^^。

 

先日の記事で通級教室に通い出したことを書きましたが、それと同時に、4年生の頃の担任の先生や通級教室の先生にも「wisc4を受けてみてはどうか」と(やんわりとですが…)勧められていました。

 

以前からも時々その話は出ていたのですが、本人がそれほど困っているように見えなかったので、そのまま私サイドでスルーしていたのです。今回5年生になって勉強も難しくなってくること、本人が「自分のこと」として自覚を持つ時期に来ていること…などを考え、ニイニに受けてみたいかどうかを聞いてみました。

 

そしたら、意外にも即答で「俺、受けてみてぇ!そんなん知りてぇわ」と。

 

「あら!そうなんだね!それはそれは。じゃあすぐに予約するわ」…と、もう受けていた友人から情報をもらって早速受診することになりました。

 

ことニイニに関しては、「あー、全然気持ちを分かってなかったなぁ…」と反省することが多い私ですが、今回もまたまた反省…(笑)。本人に話も通さず、本人が困ってない…とスルーしてきたこと。困ってるかどうかは私が決めるべきではなかったのです!こうやって文字にしたら、当たり前すぎて恥ずかしいのですが…💦。

 

私ときたら、ちょっと低い場所に勝手に椅子を置いて「君はここに座ってていいよ。そこが君らしいんだから…そこに座ってる君をママは許す!」と言っていたようなもんです。いかんですね、ほんと(笑)。

 

そういえば「君の症状は吃音って言うんだよ」とオープンにした時も、通級教室に通うかどうか尋ねた時も、基本的には「俺知りてぇ…!」という姿勢だったなぁ、と。

 

あぁ、そっか。私が思っているよりずっと、彼がなりたい自分は高い場所にいるのかもしれない。周りのお友達がサッサと済ませていることに、自分のスピードとまるで違って戸惑うことあったのかもしれないね。

 

まぁ、転んでもただでは起きない…が私のモットーなので、しばし反省をしてから「今がその時だったのだ、きっと!」と立ち上がり、児童心療内科のあるクリニックを予約して「wisc4」を受けてみた次第です。

 

wisc4ってなんぞや?と思うかもしれませんが、ざっくり言うと最近広く使われている知能検査です。

 

IQって何?WISC-Ⅳの結果の見方と支援の手立て4選 | 子供の発達を支える~発達.net~

 

↑こちらのサイトが分かりやすく説明してくれています。

 

前置き(言い訳?)が長くなりましたが、結果として受けてみて本当に良かったです。生来、悩むことの少ない私ですが、このタイミングで丁寧なカウンセリングを受けられたことはすごくラッキーだったと思えました。彼にとっても、周りの家族にとっても、様々な「え?なんで?」という疑問がスーッと溶けて行く感覚です。

 

うちの場合は全体の数値が低い訳ではなく、WMIというワーキングメモリーの部分とPSIという処理速度の部分が低めでした。そこだけが低い場合は自分でも(俺、もっと出来るはずなのに…)ともどかしい事が多いそうです。

 

結果を聞いてカウンセリングを受け、私なりに考えた結果…(あくまで素人ママの感想ですが)

 

ワーキングメモリーが低いことで起こってくるのはこんなこと。

 

・聞いた情報をその場で理解していても、頭の中で情報を処理して組み替えて応用…というのが難しい。

 

・黒板を消されてしまうと、途端に何を書かれていたのか忘れてしまったり、先生の話を「聞きながらノートを取る」「黒板を見ながら考える」など、同時にタスク処理することが難しい。

 

・感覚に引っ張られるので、音がしたり、他に気になることがあって気がそれちゃったらなかなか元に戻れない。 …などがあるようです。

 

他にも症状は色々あるようですが、ニイニがテストを受けている様子と結果を見て、とりあえず問題になりそうなことを先生が教えてくれました。

 

この3点だけを見ても、授業向きではないのは一目瞭然…。お勉強は上の3点の繰り返しですもんね〜(笑)。通知表でもいつも「関心・態度」はもちろん、「がんばりましょう」の数が多いです。

 

先生からは「周りが始終うるさい、朝や夕方の駅のホームのような状況で、いつも集中しろ…と迫られているようなものです」と説明を受けました。

 

多分、頭の中の記憶スペース(机)のサイズが小さくて、情報が次々に積まれると何が大事で何がいらないものか…いつも机が散らかってしまう感じなのでしょうね。

 

自分では授業で聞いたその瞬間は「理解した!」つもりなのです。あとで問題を解こうと思うと「??」。指の隙間から記憶がさらさらと…こぼれてしまって、あちらこちらに散らばっちゃって。

 

「あれ?やっぱ俺って出来ねぇのかな?出来る感じ、したんだけどなぁ…」の繰り返しだったのかもしれません。

 

後日、結果を持って、通級指導と担任の先生に面談をさせてもらいました。特に通級指導の先生は発達などにもお詳しいので、具体的にどのようにしたら記憶に残りやすいのか、勉強だけでなく日常を送る際の工夫などについてアドバイスをもらいました。

 

「自分は忘れてしまうんだ」…という自覚を持って、誰かのせいにしないで「忘れないでいられる方法」を親子で探すこと。

 

自分が嫌にならないために、少しずつ自信をつけていくこと。繰り返し(例えば歯磨きのようなルーティン…)忘れ物をしないクセをつけていくこと。

 

一つ一つは小さいことですが、積み重ねが自信になると説明を受けました。最近は「めんどくせぇ!!」と言いつつも、忘れないようにランドセルを覗くようになっています(笑)。

 

忘れもんくらい何だよ?…と軽く考えてしまっていましたが、通級の先生に「想像してみて下さい。自分が書道の時間に習字道具がないことを。あー!しまったぁ!と思っても、後の祭りで、周りでは黙々とみんなが授業を進めてしまいます。やることがない1時間は長いですよ、お母さん」と言われ、確かに…そうだよなぁ。と反省。

 

私は子どもの評価に関して、あまり興味のないタイプで、通知表やテストが悪くてもそれ程気になりません。本人がどうにかしたいと思うなら、協力はするけど…といったドライな感覚でした。

 

でも、彼が、なんか違う…もっと出来るはず…と(そうは見えなくても)心の中でモヤモヤしていたのなら、もうちょっと気持ちを込めて見てあげたら良かったなぁ…と思います。

 

彼にとって、wisc4の結果は「自分の取扱説明書」になりました。今はまだ私からの間接的な説明ですが、自分を知って必要な努力をすれば、行きたい場所に胸を張って行ける。そのために何が出来て、何は難しいのか…考えるヒントになったんじゃないのかな。

 

今回、色々と説明を聞いて自分でも調べていたら、私もかなりデコボコのある人間なので、どこかの数値は低くて、どこかは高い…平均値からは程遠いんだろう、と思いました(笑)。小さな頃はとかく生きづらかったし、思春期は毒を吐いて尖っておりました。だんだん歳を重ねて同調圧力の波を上手にかわしつつ、自分でいるのが楽になったものです。

 

ただ、彼は小さい頃の私のような斜に構えた部分があまりないし、見ていて生きづらいタイプではなさそうです。根底が明るいのかな、きっと(笑)。

 

どんな子も皆、小さい頃に持っていた良さを損なわないで、好きな場所にジャンプして行けたらいいのにね。大人になって、子ども達を見ていると本当にそう思います。

 

発達を「個性なんだから、周りが認めるべきだ!」…と殊更に騒ぎ立てず、お互いの取説を照らし合わせて認め合って行くための、優しいツールになったらいいな、と思います。