はまねこ&チー MGぐるぐる日記

2歳目前に小児MGを発症した娘と4歳から吃音の息子、その家族の日々です

最近のチー 〜小児MG発症4年目…元気な年長さんです〜

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△公園に行くと裸足になっちゃいます…😅💦。

なかなか更新できないままで大変ご無沙汰してしまっています。

 

チーは年長さんになり、元気に幼稚園に通っています。ただ、飲み始めた頃には薬を飲ませるのに手こずったことはあまりなかったのですが、最近はプレドニンステロイド・現在隔日8mg)を飲むのを嫌がってちょっと大変です😅💦。確かに、どうにかならんもんかと思うほど苦いんですよね、あれ。

 

運動と外遊びが大好きで、本人がどうしてもと希望して体操教室にも通い始めました。うんていや逆上がり、縄跳びどれも全然教えないままで、知らないうちに出来るようになっていました(笑)。ただ、小児MGっ子ちゃんに多く聞かれる症状なのですが、夕方になると「足が疲れた」と言って、急にペースダウンしてしまいます💦

 

あれだけ体を使って遊ぶのが好きだと途中でやめることも難しいでしょうし、そういう時には(まぁ仕方ないかなー)と思って、足のマッサージをしています。

 

発症からはちょうど4年ほど経ち、あの日々にはこんなに元気な幼稚園生活が送れるとは思っていなかったので、久しぶりに投稿しました😊今治療をスタートしたお子さんたちにとって、何かの希望になったら嬉しいなと思います。

 

昨年4月の再燃からスタートしたプログラフが思いのほか早く効いてくれて、おかげさまで副作用もなく血液検査の数値も安定しています。治療なんてそもそも結果論だとは思うのですが、これだけスッキリよく効いたのを見ると、ステロイドを倍量以上に増やす前にプログラフを試してもらえたらと思わずにいられません。だって、ステロイドって増やす時には一気にドカンと行くのに、減らすのはとっても時間がかかるんですぅ😢

 

小児MGの治療ガイドラインは、いまだに抗アセチルコリン薬の後はプレドニンステロイド)が第一選択薬なんだろうと思います。ステロイドが開発される前にはもっと不治の病だったこともよく分かります。チーが発症した当時、ずいぶん昔(ステロイドなどの投薬治療がほぼなかった頃)のMGのお子さんの闘病記を読んで震え上がったのを思い出します。

 

きっとチー達小児MG患者は、前例を作っている最中なのでしょう。プログラフがステロイドと並んで選択薬として試せるような日が来るといいなぁ。それには私たち患者が知らない様々な事情があるのでしょうし、簡単なことじゃないのかもしれません。

 

ただ、患者さんってほとんど素人でしょう(笑)?素人からしての希望は「副作用が少なくて、症状が抑えられて、飲みやすい薬」非常にシンブルなものだと思います。たまたま身体との相性が良かっただけかもしれないですが、今のチーにとっては、プログラフがまさにそれなのです

 

このまま体調が維持できますように。そして、これからMGを発症してしまうお子さん達に治療の選択が増えていきますように。



▽ちょうど4年前のこの日のチーです。全然片目が開かなくて、斜視もひどく出てしまっています。4年後のことなんて考えられなかったなぁ。

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7回目の3.11に思うこと

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△今朝の空です。美しくて静かな朝でした。

 

今年も思い出したような寒さがぶり返し、この日がやってきました。毎年、寒かっただろうなぁ…と思います。

 

それぞれの地でスタートを切った(切らざるを得なかった…)方々にとっても、迷いや不安と戦いながらの日々だったかもしれません。

 

6歳だった長女も中学生になり、合唱部に入りました。合唱部が大切に歌っている歌に震災後に作られた曲が3曲かあります。先生が曲が生まれたエピソードについて、とても細かく書かれたプリントを配って下さいました。

 

卒業直前に、いろんな土地に散り散りに別れていった友人たち。急に決まってさよならも言い合えなかった方もいたでしょう。それぞれの場所でみんなの支えになる曲があったら…。そんな想いで、子どもたちからキーワードを出してもらって、音楽の先生が言葉を繋いで作詞し、思いを共有した作曲家によって曲がつけられ、生まれた歌(「群青」)もあります。

 

娘の学校の先生は、「あなたたちがこの曲を歌う以上は、背景もしっかり知って、誰かに届くようにしっかり思いを込めて歌う責任があります」とおっしゃったそうです。

 

思春期の頃に、自分たちと同じような年齢で震災にあった子どもたちについて想像する機会をもらえたことに感謝しています。歌っているのは「願い 〜震災を乗り越えて〜」「群青」「ほらね、」の3曲ですが、あの震災の後、自分たちに何かできることはないか?…とそれぞれのプロフェッショナルが真剣に向き合って生まれた曲だと思います。そういう誰かの想いを、間接的にでも伝えていけるのは幸せなことだなぁ…と、曲を聴くたびに涙です。

 

どちらで暮らすみなさんも、笑顔の春を迎えられますように。

あおぞら共和国でプラネタリウムを楽しんだこと

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プラネタリウムの後のワークショップで、自分だけのミニ星空を作りました😊。こちらは聡悟の自信作!

 

先日、台風21号の気配が日本列島を覆う中、山梨県にある「あおぞら共和国」でMG交流会をしてきました。MGっ子ちゃんはチーともう1名。以前も同じところで集まったことのある仲良しで同じ歳の女の子。大人のMGさんが3名…とそれぞれのご家族、ALDの患者会の方。

 

案の定の雨模様でしたが、久しぶりに会えたお友達もいたり、初めましての方と濃い話ができたりで、賑やかに楽しんできました。

 

「あおぞら共和国」というのは、病気やしょうがいをお持ちのお子さんやそのご家族が安心して宿泊できる施設をコンセプトにした素敵なログハウスです。みんなの憧れ、薪ストーブにキッチンもついていて、お風呂棟にはゆったりした大浴場があり、お布団も貸してもらえます。

 

www.nanbyonet.or.jp

 

まだ建国中で、将来は医療棟も建つ予定なんだとか…。とかくマイノリティーな子どもが生きにくいこの国で、自分と違う病気や障害を持った子ども同士が知り合えたなら、それは大きな出会いになるでしょう。

 

それに何より親同士話ができるのが、一番良いところかもしれません。難病やしょうがいって、身の回りに共有できる仲間ができにくいですからね。日常生活の知恵や治療についてなど、日頃の悩みをシェアできたら心強いと思います。

 

我が家は今回家族5名と妹母子で参加しました。思春期の中一長女にとって、色んな人がいる…と知る機会になるかな、と思って。少し醒めた目で部屋にでもいるかなーと思いきや、チビちゃんたちを従えてよく遊び、よく笑って楽しんでいて、一緒に行けて良かったです。

 

それに、私にとって不勉強で知らなかったALDという病気についてもお話を聞くことができて、実りの多い時間でした。

 

そして今回、スペシャル企画で「一般社団法人・星つむぎの村」さんに来ていただいて、室内プラネタリウムをやっていただきました✨。

 

 

星つむぎの村 – 星を介して人と人をつなぐ場

 

星つむぎの村さんは、長期入院患児がいる病棟などで「病院がプラネタリウム」というイベントを開催したり、星に関する様々なイベントを行なっている団体です。

 

本当だったら、オリオン座流星群がきていたので、芝生に寝転んで流星を見よう…と予定していたのですが、なんせ台風、空には分厚〜い雲です😢💦。…残念!でも室内のプラネタリウム、とっても素敵なプログラムでした。

 

初めは身近な星座から。星を探すのも楽しいですね😊。そして地球から離れて銀河系をもっともっと離れて…。私はもういい大人ですが、久しぶりにワクワクドキドキ…子どもに戻ったように、思わず「わぁーっ!」と声を出してしまいました(笑)。

 

お別れする時に「プラネタリウムがとても良くて、久しぶりにワクワクしました。ありがとうございました」とお礼を言った際、跡部さんがおっしゃっていた言葉が忘れられません。自分のために、またシェアするために…ここに私の覚えで記しておきます(細かいところが違っていたらごめんなさい…)。

 

「私たちが病室などでプラネタリウムをする時、その周りの方々…患者のお子さんだけでなく、ご家族、スタッフ、医療従事者、いろんな方に宇宙の広がりを感じてもらえるように心がけています。疲れた時にも空を見上げていると、ため息はつけないんですよ。ため息というのは俯いている時に出るものですからね😉。」

 

「東日本にも何度も伺いました。プログラムを通じて、空はいつでも繋がっていること…それをお伝えして、同じ星空を見上げている時私たちは一つだと。誰しも悲しみの当事者にはなれないけれども、できうるかぎり引き寄せて、それを想像して自分ごとにすることが大切だと考えています」

 

「お気楽に星なんか見上げている場合じゃないんだよ!」…とか、「命に関わるもっと大事なことがあるんだよ!」とか、余裕のない時にそんな気持ちになることもあるでしょう。

 

でも、そんな人々の気持ちに関係なく、空はいつも広がっています。夜になれば星がまたたき、月は満ち欠け、朝が来たら日が昇る。大きな存在に圧倒されて自分を小さく感じるのは、なんだか心もとないようですが、忙しい大人こそ空を見上げるのって必要なんだろうなぁ…と思いました。

 

時々、こうやって素敵なおじさまに出会うと本当に嬉しくなります。女性の素敵さもいいのですが、次世代やそのまた次の世代につなげたい…そういう活動をされている男性にこそ、子どもたちに出会って欲しいなぁと思います。好きなこと、感動すること、誰かの笑顔を思うこと…それを大切に生きている男性に会うのって、女性とはまた違った夢があるような気がして。

 

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△子どもたちはハロウィンの仮装をして楽しみました。

 

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△お兄ちゃんに遊んでもらって、いつもは人見知りのチーもこの笑顔です。



今回も跡部さんと一緒に男子大学生さんが来てくださったのですが、楽しい工作もあり、そのあとも思い切り遊んでもらって子どもたちは大喜び。感性が柔らかな頃に、ああいう大人の男性に色々学べるって幸せだし、やっぱり斜めに繋がるっていいなぁ…。

 

チーが病気になって、もうすぐ4年。2歳前にMGを発症した彼女が連れて来てくれた様々な「ご縁」は、当時でもういい大人だった私にとって、とても大きな意味があったように思います。病気になってよかった…なんて言っちゃうと、それはちょっと違うかなーと思うのですが(笑)、このブログもそれをきっかけに始めましたし、そこから私の人生は枝葉のようにババっと広がった気がして。

 

誰かの見えにくい痛みを考えることも、マイノリティな病気について勉強することも、周りの家族について想像することも。全部チーが病気になってから初めて開いた扉でした。

 

いろんな人の思いが詰まった山梨の素敵なログハウスで、病気の子どもたちのはしゃぐ声を聞きながら、スクリーンの星空を見上げている。チーの病気がなかったら知り合うことがなかったかもしれない人々との不思議なご縁につながれた素敵な夜でした。

 

お世話になったみなさん、本当にありがとうございました😊。

子どもが学校で「死ね!」と言われたら 〜心無い言葉について考える〜

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△空は秋晴れ、気分はブルー

 

過激なタイトルでごめんなさい(笑)。

 

これは先日中1の長女に起きたことで、かなりぐるぐる考えた内容です。ざっと説明すると、学校の体育祭で運動が苦手な長女が混合リレーの選手になってしまったのです。はじめはもっとゆるい競技にエントリーしていたのですが、みんなが責任のかかる競技を避けてしまったため、やる人がいなくて嫌々ながらやることになってしまったのです。

 

まぁ、引き受けてしまった以上、そこは仕方ないですね。本気で嫌なら最後まで意思を通して断り続けるべき…という言葉も聞こえて来そうです(笑)。本人も引き受けたことをどうこうは思っていなかったのです。

 

ただ、案の定というか…当日どんどん抜かされてしまって。始めに渡してもらったバトンから随分順位を下げてしまったのです。 タイトルは、そこからのチーム男子からの言葉になります。「お前のせいで負けたんだから土下座しろ!」「死ね!」と二人の男の子に何度も石を投げられた…としょんぼり帰って来ました。

 

うううーん。

 

むむむむー。

 

こーれーはー!

 

…正直、私はビックリしてしまったのです。競技に負けたことで、一人の子に対して謝罪を要求するんだ!?…これって「負けて悔しいこと」から逸脱していませんか?もし「もっと走る練習しとけよ」とか「お前のバトン渡し全然ダメだったなぁ」とかなら、こんなに驚かないと思います。 長女も自分が走るの遅かった…という事実は嫌という程分かっているので「ごめんね、順位下げちゃって。私が遅かったから負けちゃったね」と謝ったそうですが、聞き入れてもらえず。

 

「もうこれは泣くレベルの酷さだ、泣いちゃいそう…。だけど、泣いたら相手は喜ぶだけだと思って我慢したんだ」と。

 

短いセンテンスでのやり取りに慣れている今の子どもにとっての「死ね!」という言葉は軽いのかもしれません。が、少なくとも私たち世代にとってのその言葉はかなりのインパクトがあります。それに、軽いからって使っていいよと言える言葉ではありません。それに、ど、土下座って…何に対して??

 

さてはて。この出来事について、どう捉えたらいいのか…。さすがに気にしないでいいよ、という話ではないですもんねー^^;。聡悟が怒って「ムカつく!ぶっ飛ばしてぇ!」と言うも、即座に「あんたなんて逆にやられるわ…」と(笑)。

 

その場では「そうかぁ、それはひどいねぇ。そんなこと言われちゃうんだ…」とずっと話を聞くだけでしたが、明け方目が覚めてぐるぐる考え始めたら眠れなくなってしまい、思ったより自分がショックだったんだ、と知りました^^;。

 

ただ、正直、大人として話そうという時に、相手の男の子に届く言葉が見つかりません。直情型の私の母が聞きつけたら、速攻で怒鳴り込みそうですが(今日の朝、それを想像して長女とひとしきり笑いました。「おい!家どこだ?!ぶっ飛ばしてやる!お前が土下座しろ!」って言うよね、きっとって…笑)、直情型の母を反面教師にしすぎたせいか、私には突発的に怒る…ってスイッチがないのです。

 

同じように去年の運動会で長女のことを記事にした

 

hamaneko13.hatenablog.com

を思い出していて。これは組み体操で相手が受けてくれなくて失敗ペアになってしまった話ですが、彼女は相手の子を責めなかったなぁ…と。なんの違いなんだろう?と考えてみたのですが、多分「想像力」なんじゃないかしら。出来ないことにトライする相手がどんな気持ちでいるのか、それを想像することが出来たなら、一方的に責める気持ちは湧いてこないんだと思います。

 

それを考えたら、自分の子どもながら(ああいうところは良い個性だなぁ)…と思ったし、そうやって生きてたって、こんな目に遭うなら損するばっかりだ…なんて思って欲しくないなぁと。つまり、誰かの手で良いところを失くして欲しくないですよね。 最低限、分かっていて欲しいのは、教室や狭い場所ではそういう生き方で相手を打ちのめすのが勝ち組のように思っているかもしれないけど、長い目で見たらやっぱり想像力と優しさを持っている人の方が魅力があるということです。ママはそう思ってるし、周りを見ても実際そうだよ、って話をしました。今は難しくても、いつか届くと良いなーと願いながら。

 

意地悪な相手を変えることは出来ないし、そこまではこちらの仕事ではありません。ぶつけられたストレスボールが黒ければ黒いほど、ついこっちも染まってしまいそうになりますが、自分の中に息づくピカピカした本来の輝きみたいなものをいかにくすませないで、汚さないで生きていけるか。これは大いなるチャレンジと言えるかもしれません。

 

これから同じようなことが周りで起こった時に、相手を責める前にどうしたら良かったのか(そもそもリレーの選手選びから問題があったんじゃないか?と思ったり…)考えることが出来たなら(たとえそれがあの男の子だとしても…)、辛い経験に勝ったと言えるのかもしれません。

 

「いじめられる方にもどこか原因がある」…というのが一般的な論理ですが、私は何度同じことを聞かれても「ぶつけられる方の問題ではない。ぶつける方が弱い!」と答えたいです。集団の意識や教室のパワーバランスに抗うのは、本当に気力のいることです。でも、本来ありたい自分から離れないでいるために踏ん張るのは、生きる上でとても大切だと思います。

 

残念ながら、大人になっても意地悪な人や相手によって態度を変える人はいます。社会にも、勝ちだ・負けだ、とお金を儲けた人や要領よくずる賢い人が勝ちのような風潮もあります。でも私は社会のせいにしたくないし、そんな世間の風潮なんてクソくらえ!と思っています。自分の物差しを持ち、子どもの頃の自分に恥ずかしくないように正直にありたいと願っています。

 

心無い言葉や態度をぶつけられている誰かがいたら…。

 

もし、どこかあなたに原因があったとしても、尊厳を踏みにじられるいわれはありません。「死ね!」と言われても、大切な本当の自分をどうか死なせないで。やった側は、忘れて笑って生きていけると思っています。が、自分の生きていく道は、誰でも自分の過去のその先です。弱い相手や自分にとってやってもいい、価値のない相手に対しての態度そのものが人生を作っていくのです。頑張らなくてもいいんです。ただ、自分を汚されないように守ってください。

 

少し前の記事で同じようなことを考えていました。

hamaneko13.hatenablog.com
こちらのテーマは、一人の大人として、これからもぐるぐる考えると思います。

習い事を辞めたい… 〜ばあばとニイニの攻防について〜

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△やりたくないことやる?…よくわかんないなぁ、もっかい説明してくれる?の茶々丸(笑)。

 

珍しく続けてニイニの記事です。

 

今日は聡悟が習い事を辞めたい…という話です(もちろん全然褒められるようなものではないのですが、興味深かったので覚え書きとして)。

 

うちの母は私が幼い頃からそろばん塾の先生をしています。あそこは怖いと近所でも評判(?)の塾で、泣かされた子どもは数知れず…💦。ばあばは名古屋弁でまくし立てるので、言ってる内容よりも迫力があります。まぁそれでも昔よりは随分丸くなって、泣かせる子供も減ったのですがね。

 

そのそろばん教室を、前回、今回と二回続けて聡悟がサボりました。

 

――――――――――――――――――

 

「なんだ?おまえ辞めるんか。今日もダラダラ遊んどったんか!」

 

遊んどらんし!コラショ(進研ゼミ)やってたんだし(一応、自分なりにそろばんの時間にはゲームはなしとしているようです笑)」

 

「そんなもん、なんでわざわざそろばんの時間にやらなかんのだ!いつでも時間あるだろう、おまえなんかヒマなくせに」

 

「ヒマじゃないし」

 

「ピコピコピコピコ、ゲームやっとる時間はヒマじゃねえのか!」

 

「あれは遊ぶ時間だし」

 

「そんなもんな、頼んでやってもらうようなもんじゃなし。辞めろ、辞めろ!いい加減な態度でやってもらっとったってよー!こっちも腹立つばっかだわ!」

 

……

 

「でも、ばあばは、そうごそろばん上手にやるんじゃないかなーって、すごい期待しとったんだぞ。ほんっとに失望したわ」

 

……だってオレそろばん好きじゃねぇし」

 

「は??…なんでだ!?」

 

「座ってパチパチ1間も…。俺には無理だわ、そんなん」

 

「おまえ、暗算なんかすごい役に立つんだぞ!そろばん、楽しいぞ」

 

「ばあばには楽しくても、俺には楽しくないんだもん」

 

「なんだ!おまえは自分の楽しいことばーっかやってきたいんか。ちょっとの我慢もできんのか。そんなふうで学校の勉強どーやってやっとんだ」

 

………わかった。じゃぁさ。週に2回のうち1回行く」

 

「なんだ、おまえ、偉そーに!!1回ってよ」

 

……ねぇ。ばあばには何が正解なの?」

 

(ここで、娘の私は思わずこっそり笑う(笑))

 

「別に頼んでやってもらわんだっていいんだぞ」

 

-----

 

どうも、話が堂々巡りの様相になって来たので

 

「じゃあ、週に1回。超真剣に取り組む。これでどう?」

 

「うん。1回は行く」

 

「時間より前に来て机とか出すの、手伝えよ」

 

「うん」

 

「クソつまらんような顔してめんどくさそうにやんなよ!」

 

「うん。……ねぇ、もういい?」

 

――――――――――――――――――

 

ここまで堂々とばあばとやり合う子どもは、孫の代になって初めて産まれた気がします(笑)。どもりながらも、言い返す、言い返す

 

が、ばあばは正しさを武器に(そろばんは役に立つ、きっとおまえに向いてる、もっと伸びるはずだ、簡単に諦めるな、いい加減なことしとんな)生意気なガキんちょを言い負かそうと躍起になります。

 

ばあばにとっての正解は「分かった。そろばんは苦手だけど、オレ頑張るよ。サボってごめんね。暗算とか役に立つもんね」なら、多分100点ですね(笑)。言い返さずに「分かった。来週からちゃんと行く」なら70点ってとこかしら?

 

でも、それは聡悟の希望ではない訳で😅。まぁそりゃあ、理屈で言ったら大人の方が正しいですよね。サボり癖がついたら何も長続きしないんじゃないか?というのは、子どもの将来を思う時多くの大人が抱く不安です。「今の若者は嫌なことからすぐに逃げ出す」…これはほんとによく聞く評価ですし…ね😉

 

ただ、考えてみてください。習い事を辞めたい…って「嫌だ・楽しくない」以外に大人を納得させられるほどの正当な理由なんてないじゃないですか(笑)?それこそ体に不調でも出ない限り、真剣に聞いてはもらえませんよね。

 

でも、大人だって自分の苦手な分野に放り込まれたらどうでしょうね。一生懸命取り組める方もいらっしゃるでしょうが、何を隠そう私は逃げ出したい一人です。

 

私にとってはスポーツですが、スポーツの素晴らしさを並べ立てられて、やらないのは怠慢だ、もっと努力すれば出来るはずだ、諦めるからその先に行けないんだ、一生の財産だって一方的に言われたら。

 

そんな感じで、幼い頃嫌々習い事をしていた(短期のスイミングなんて、私にとっては苦行の一言でしたし、バレエレッスンのアウェイ感と言ったら!!)ので、自分の子どもには、本人がよっぽどやりたい事だけでいいかなーと思ってるところもあり。

 

私からは「そんなに嫌なら辞めてもいいけど、先生であるばあばには自分で話すこと」と条件をつけました。

 

始めるのも続けるのもお金がかかる習い事。あまりに気まぐれに「やりたい、辞めたい」と言われても、簡単に答えは出せませんよねー💦

 

実はスイミングも辞めたがってるんですが、これは自分が「どーしてもやりたい!」と駄々をこねて始めた習い事なので、「平泳ぎ合格まで頑張る」と条件を付けました。

 

向いてることだけやるのも違うと思いつつ、苦手なことにも楽しみを見出して努力ができるようになってほしいとは、やっぱ親の無い物ねだりなんでしょうねー(笑)。いつかその方がカッコいいと自分で思えたらいいのですが…こればっかりはどうにもこうにも。

ただ、人ごとで笑っちゃってはいけないのですが、ばあばと聡悟のやり取りって、男と女の永遠の平行線みたいで面白くないですか?あくまで自分の正しさを主張してやまない女と、その感情論から離れて次のステップにさっさと行きたい男と…(笑)。「君にとってどう答えるのが正解なの?」なんて言われたら、もう女はキーッですよねー😅。

どーもどもっちゃって14 〜吃音 & 難病の兄妹会議〜

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 △旦那さんの実家で「おわら風の盆」に行って来ました^ ^。

 

またまた久しぶりの更新になってしまいました…^ ^;。長女が中学生になったこの夏は、いつもに増して忙しかった気がします。

 

お盆近辺は豪雨だったり暑かったりして体調管理が難しかったですが、おかげさまでチーは元気に夏を越しました。そして再燃した時に増やしたステロイド、やっと1mgずつの減量がスタートしました。増える時にはドーンと一気に倍以上になるのですが、減らすのは1mgずつ慎重にやります…^^;。

 

さて、今日は吃音ニイニと難病チーの会話をこっそり聞いたお話…。お互いの病気(吃音&小児MG)について、詳しくはないにせよ意識はしている二人です。

 

チー(薬を前にして…)
「もうお薬苦いの、やだ!もう病気やだ!」

 

ニイニ
「に、苦いんだよね、それ」

 

チー
「すっごい苦い!オェーって感じ!注射も嫌だし!3本も抜くんだし!」

 

ニイニ
「ふぅん……。で、でも。チ、チーちゃんは全然病気ってわからんよ。く、薬飲んでんの知らなかったら、病気なんかないみたい」

 

チー
「そうかなー」

 

ニイニ
「うん。絶対、分からんよ。お、俺のき、吃音は治らんって言ってたよ」

 

チー
「誰が?」

 

ニイニ
「ことば教室のセンセ。治らんけど、って言うか、治らんから、れ、練習して、自分でしゃべれるようになるようにするんだ。…けど、吃音は毎日だよ。しゃべるのって毎日じゃん」

 

チー
「うん」

 

ニイニ
「お、俺、3秒ルールっての、作ってんの」

 

チー
「なに?」

 

ニイニ
「話そうとして。さ、3秒数えても出てこなかったら、やめんの」

 

チー
「どうやってやめるの?」

 

ニイニ
「「まぁいいや」って言う時もあるし、「忘れた」って言う時もある。とにかく3秒って決めてんの。3秒でやめんの」

 

チー
「どうして?」

 

ニイニ
「自分にイラつくから。ウーーーってなって、力が入ってさー。嫌になる、もう」

 

チー
「そうかぁ」

 

ニイニ
「ち、チーちゃんはさ。薬は苦いし注射も大変だけど、俺、思うんだけどさ。吃音の人は「これを飲んだら絶対に治る」って薬があったら、ぜ、絶対に苦くても飲むと思うな」

 

チー
「……」

 

ニイニ
「い、1回だけ魔法が使えたら、その魔法も使うと思うな」

 

チー
「なんて?」

 

ニイニ
「みんなの吃音と病気が治りますように…にするかな。そしたら、俺だけじゃなくても治るからさ。チーちゃんの病気も治してあげる」

 

チー
「やった!」

 

ニイニ
「く、クリスマスのプレゼントだってさ。何年分かで治るなら、お、俺、プレゼントいらんわ。治してくださいってサンタに言うわ。そしたらイラつかんでいいし」

 

チー
「サンタさんって治せるのかなぁ?」

 

ニイニ
「で、でもさ!た…ぶん無理だろうね(笑)。だ、だってサンタにお願いして治るなら、吃音の人いなくなるよ、きっと」

 

チー
「それもそうだねぇー」

 

最後はフフフフ…と二人で平和に笑い合っています。

 

最近、彼の吃音は調子良いように思えていて、3秒のルールも全然知りませんでした。私はふたりの話が聞こえていたんだけれど、口は出さずに耳だけダンボで。

 

そっかぁ…聡悟がしょっちゅう「まぁいいや」とか「やっぱやめた」って言ってるの、ただの気まぐれだと思ってたけど、出てこなかった時なんだなー。

 

8歳なりに、逃れられない「吃音」という自分の体のもった特質?クセ?を見つめようという姿勢を持っていて、素直に話せる妹がいるというのは良かったなぁと思いました。

 

3秒経って言えなかったたくさんの言葉、それはきっと他愛ないものだと思うんです。今日は暑かったね、とか、夕飯なぁに?とか、先生がこんなこと言ったんだ…とか。んっ!って力が入って、1、2、3秒…と数えて、「ん?なんだって?」って私が聞き返した時には「もういいや」ってなってたんだね。

 

それは私には知り得ない痛みだし、「そんなこと言わずに、待ってるから話してよ」…と言うのは簡単なんですが、なぜだか私はそう言う気になれませんでした。吃音にコントロールされる人生を送るか、吃音をコントロールしながら人生を送るか…当事者以外にはピンとこないけれど、きっと全然違うと思います。そして、彼は幼いなりにコントロールしながら生きる道を模索中なんですね。

 

難病の妹と、「魔法で何とか出来るなら?…でも無理だよねー」って笑いながらそれを想像するのは、たとえ叶わなくても無意味ではないと思うし、もし叶うならみんなのことも治してあげるんだ…と、そういう「優しさ」を伸ばしていってくれたらいいなぁ、と願う気持ちです。

 

もちろん、病気に見えないからこその悩みもあるし、それぞれの大変さは比べるようなものではありません。どちらが大変か、なんてナンセンスかもしれないけど、治療法が確立されていないし、吃音者のとりとめない不安感やいら立ちは「病気」というカテゴリーに入れるのも難しく…。

 

命に関わらないため、当事者が悩んでいても「気にすることないよ!君は君だよ!」なんて、軽く言われてしまうことも多いんでしょうね。でも相手に悪意がない以上、真摯に向き合って伝えるか、まぁ分からんだろうなーと笑ってしまうか。本人がその都度、自分を汚さない方法を選んでいかなくてはなりません。

 

私たち、身近な大人が出来ることといえば、チーがしていたようにただただ聞いてあげることなのかもしれないなぁ。卑屈になったり、吃音のせいで人生がダメになった、と思わないですむように。優しいところを伸ばしていけるように、自分に苛立って気持ちが暴れないですむように。

 

(ふぅ、無力じゃのぅ…)…と思いつつ、親ってのが無力だと知るのは大切なことなのだ…と背筋が伸びた次第です(笑)。

クソつまらん!…の裏にあるもの 〜もっと俺ならやれるかも…って?〜

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△ 静かにしてると思ったら…(笑)。

 

なんだか、また久しぶりの更新になってしまいました。そしてこれまた久々のニイニの登場です。

 

先日、聡悟が「○○会なんてクソつまらん!」と不機嫌にぶつくさ。

 

○○会っていうのは、小学校の縦割りで遊ぶイベントです。わりといつも楽しみにしてるのになー。

 

「へぇ、なんで?」…って聞いたら、

 

「紙飛行機の部屋があったから(スゲえラッキー!)と思ってさー!」

 

ふむふむ。

 

「そしたら、もう折ってあったんだよ。それも、なんの研究もしてないスゲえいい加減なやつ!」

 

ほぅ。

 

「でさ!ほんの少し前に置いてあるバケツに入れろってさ!ほんと触れそうなくらい近いんだよ、それ!」

 

ほぅ。

 

「あんなことするなら、紙丸めて投げりゃいいんだ!飛行機の意味ねぇじゃん!」

 

なるほど。

 

「せめて一生懸命折れって!それか、俺に折らせろって」

 

笑…そういうことね!聡悟が先生になったら良かったのにねー。

 

「いくらだって折ってやるわ。それに飛ぶから紙飛行機なんじゃん。みんなで折って並んで飛ばしたらいいじゃん。なんで投げさすの?」

 

…だそうです(笑)。彼は少し前に紙飛行機ブームで、家中の紙を使ってすごい研究してたんです。

 

「クソつまらん」というふてくされた態度ですが、もっと楽しくできたはずなのに…という気持ちが見え隠れしていて、つまりは「残念」だったんですね!

 

でも、容易に想像できますが…態度悪かったと思うんです💦。みんなの楽しみな気持ちを台無しにして怒られたかもしれませんー😅。

 

ああいうイベントって、先生方も大変なんでしょうね。ただ、うちみたいなヤンチャ坊主でお勉強がお留守のタイプでも、何か得意なことがあったなら、任せてあげたら鼻の穴おっ広げて頑張ると思うんだけどなー。

 

いや、分かりますよ、その方が面倒だということは…(笑)!子どもに夕飯の手伝いしたいって言われたら、正直「時間かかるがな…」と思うことありますもんね😅。

 

ただ、先生方(か、高学年の生徒さんかな?)がワクワクしないで進行してるなら、何か他の方法を考えるのもいいかなーと。

 

先生になれる生徒さんを全学年から募集してもいいじゃないですか?それなら自分の力を発揮できる…!ってワクワクするかもしれないし、そういうワクワクって伝染しますよね😉。

 

女の子と違って、そこに行き着くまでの理由を説明するのがヘタなうえ、すぐにふてくされてしまうので、本当のところが見えにくいのが男の子だと思います。

 

結局「怒り」とか「ふてくされ」って、掘り起こせば、ほとんどが「悲しみ」や「願い」なのかもしれないですね。

 

まぁ毎回毎回、周りがそこに寄り添って「根底にあるのはなぁに?」なーんて、とてもやってらんないしその必要もないと思うのですが、彼らなりに理由がある(こともある)…と知ってるだけでもいいかなーと。

とは言え、やっぱり周りが配慮しすぎるのにも注意が必要かもしれません。…男の子だからって「俺はこうなんだ。これで行くからな!」と開き直ってしまわずに、理解して欲しかったら、拗ねてないで自分でちったぁ考えろよ!とも思ったり…笑。

たくましく育って欲しい…と願うなら、そのあたりのコミュニケーション能力を鍛えていけたらいいですよね😉。

病気なんて嫌だよぅ!と泣かれたこと 〜あたしだって泣きたい時もある〜

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△腎機能のフォローに足首に1本。これが今のチーの小児はり治療です。
昨日の鍼治療では車で寝たまま運び込まれ、最後まで寝ていました(笑)。

久しぶりの更新になってしまいました。おかげさまで、チーの新しい薬(プログラフ)はとてもよく効いてくれ、検査入院からこちら、一度も瞼の下垂は見られません。ステロイドはまだ減らせていませんが、このまま調子が良かったら夏を迎える頃に改めて減薬に進んで行くかもしれません。

 

さて、昨日鍼治療に出かける前、幼稚園から帰ってきてチーがさめざめと泣きだしました。「おメメの病気、もう嫌だよぅ!」…うぇーん!…「チックン(鍼治療)にも行くしさ。ポンポン(診察)にも行くしさ。お友達は幼稚園にいるのに、チーちゃんだけ遅れてさ(診察の後、遅刻して行く日があるのです…)もうやだ!」

 

こういう気分の時、大人だってありますよね。さてどう答えましょう…こういう時に私は、諭したり、それについてのこちらの考えは言わないことにしています。

 

「そーだ、そーだ!嫌だ、嫌だ!…あとは?」と言うと、「あと、遊べないしさ!」「うん、うん。あとは?」「お薬苦いしさ!」「ほんとだ、あれ苦いよなぁ。きっとまだあるぞ!何だっけ?」「うーん。あとは…何かあるかなぁ?」…と言ってる間に涙は乾いていきます(笑)。そのタイミングで凍ったゼリーを差し出すと、涙を目に溜めたままで「やった!ゼリー?」…まだまだ可愛い4歳児^^。

 

2歳前から入院治療をしていたし、当たり前に投薬や注射もこなしてきています。そんなこと言っても仕方ないのは、本人もよく分かっているはず…。なので、私はこの手の問いはあまり深刻に受け取らないスタイルにしています。どうせ答えなんてありませんし、彼女は確かに現在病気があるのですから、治療は続いて行くでしょう。

 

時々「なんでだよーっ!?」…と泣きたい時、こちらが悲しそうな顔をしていたら、言えなくなっちゃうかもしれないな…と。言ってもしょうがないこと、物事が好転しないこと。それでも思わず叫んだりグズったりしたい時もあるでしょう?(大人になったらなかなか出来ないこととも言えるかもしれませんね^_^;)。

 

痛い注射も苦い薬も、私がやって彼女が良くなったらいいのになぁ…なんてせんないことを考えた日もありました。でも、どれだけ考えたところで病気の身体は代わってはあげられないんです。彼女が答えの出ない問いを吐き出したい時に、ダメ元で素直に言える場所になっていたらそれでいいんじゃないかな…と思います。

以前(3年前、発症直後の入院中)にも、長女のグズグズ期(ちょうど10年前、2歳の頃です…笑)にも同じような記事を書いていました。時々というか、定期的にぐるぐる考えているってことですね(笑)。

hamaneko13.hatenablog.com

hamaneko-eco.seesaa.net

今回の再発から入院について 〜プログラフ追加〜

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△病院の屋上庭園で元気いっぱいです!

 

去年の末から始まったチーの再発。ステロイド増量で様子を見ていましたが、パッとした改善にはならなかったため、先生と話し合ってプログラフを追加することになりました。

 

プログラフ追加について病院によって対応は様々あると思いますが、チーの通う病院では初期の導入時は入院して血液検査をしながら慎重に薬の量を決めることになっています。血液検査では飲み始めてから、薬の濃度がどれくらい血液中に残っているかの血中濃度(一番低くなる値、トラフ値)を測るそうです。先生から図を使って丁寧な説明を受けた後、薬剤師さんも病室を訪ねてくださいました。

 

プログラフという薬は効きの個人差が大きいそうで、副作用が出てしまうと腎機能に影響を及ぼすこともあり、低いと効きが弱いし高いと副作用が出てしまうので、始めは血中濃度を測ってそれぞれの薬の量を測るのが重要だそうです。そして、血液検査の時間が決まっていて(薬を飲んでから12時間後…)19時に飲むことになっているので、朝7時に検査。これが通院では無理な時間帯なので、始めの導入時のみ入院の必要があるとのことでした。

 

以前のブログでも書きましたが、同じ小児MGのママたちとのLINEでプログラフを使っている方に情報をもらっていました。皆さんとても丁寧にご自分とお子さんの体験を教えてくださったので、プログラフについての不安感はあまりありませんでした。それよりむしろ、ステロイド増量によって起こってきた様々な副作用…足の痛み、だるさ、胸焼けなどが気になっていて。どれも命に関わるものではないですが、動き回りたい年齢の子どもにとってこれらの症状が日常的に続くのはやっぱりストレスになると思います。

 

鍼を始めたことも影響しているかもしれませんが、入院の二週間ほど前からチーのまぶたの下垂が治まってきたので、今回のお薬の追加は、プログラフが効いてきたらステロイドを減量していくのが目的と言えます。

 

うまく効いて、ステロイドを減量して行けるといいな。

Air bnbを使って名古屋→大阪旅行 〜新しい家族旅の形…かも?〜

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今年の年始に旦那さんから誕生日プレゼントでライブチケットをもらいました☺️。私は名古屋に住んでいるのですが、会場はなんと大阪城ホールです。いやー、10年以上ぶりのライブ(子どもが3人もいると、ライブに行く…という選択肢が遠くなりますよねー^^;)楽しみなのと同時に、さてどうやって「大阪ライブ作戦」を遂行するか、一生懸命考えました(笑)。

 

私の考えた作戦はこうです。

前日に家族5人で大阪入りして関西旅行を満喫、次の日夕方に私一人でライブに行く。旦那さんが子どもを3人連れて名古屋に帰り、私はライブが終わったら急いで新幹線で帰ってくるー。

 

まず、私が楽しい思いをするのは確実なので、家族にも楽しい思い出を作ってもらいたいですよね。関西と言えばくいだおれって言うし、美味しいものいっぱいありそう…。なるべく安く済ませるにはどうするかなー。

 

そうなんです。家族が増えると、旅行もほんとにバカにならないほどお金がかかってしまいます(・_・; 。どこに泊まろうか、やっぱりビジネスホテルかなー…と検討してみたのですが、連休中で空いているホテルが少ない上、ツインにぎゅうぎゅう詰めで泊まっても3万円以上かかります。

 

そこで、私の妹がよく利用しているという、噂のAir bnbを使ってみました。

www.airbnb.jp

 

ご存知かしら?いわゆる民泊というもので、マンションの一室や別荘のようなロッジ、その他空き部屋などを借りて泊まるスタイル。簡単な自炊が出来るところも多いので、コンドミニアムに近いかな?

 

大きく分けると、一棟貸しタイプと、共用部分と個室のあるシェアタイプがあって、海外のツーリストの方々が長期滞在したりすることも多いようです。

 

今回は帰りに旦那さんが大変なので、近鉄電車の乗り場に近い難波近郊で探しました。私はよく大手旅行サイトでホテルのネット予約をするのですが、そこで探した近郊ホテルの最安値がツインの素泊まりで3万2000円ほど(しかも残り1室…とか…笑)。

 

Air bnbでは、子連れでシェアタイプはちょっと無理かなぁ…と、マンションの一室貸しを探したのですが、検討するだけでも6軒ほど候補がありました。価格も全員で泊まっても1万〜2万円くらいです…なんだか楽しくなってきましたよー(笑)!

 

チビ連れの家族で泊まる場合、気になるのは

・広さ(多少広い方が子どもも嬉しいですよね)

・駅からの距離(難波のような大きな駅だと、近すぎるとうるさい…でも遠すぎると移動が大変)

といったところでしょうか。避暑地などに旅行するのと違い、大阪のような人混みに泊まる時には、子どもが人疲れするのは想像出来ます。少し歩いても街のど真ん中に泊まるのは避けた方が無難でしょう。今回はなんば駅から徒歩10分くらいの場所を選びました。価格は10445円。素泊まりホテルよりも2万円以上安いです!差額の2万円でくいだおれできますね(笑)。

 

【初めてbnbを使っての感想など】

 

・ほんとにマンション!少しお金持ちの大学生の一人暮らしのような部屋(ロフト付き1room)。テレビ、冷蔵庫や電子レンジ、電気ケトル、簡単な食器類も…お友達が遊びに来るのを想定した一人暮らし程度に揃っています。

 

・ロフトにお布団一組、下にダブルベッド、他にもお布団一組。ツインにぎゅうぎゅうで泊まるよりはずっとゆったり!

 

・ただ、やはりマンションです。目印のない住宅街…土地勘のない場所で住所を探し当てるのがなかなか大変でした。

 

・アメニティなどはあまりありません。シャンプー、リンス、ボディソープはありましたが、歯ブラシ&歯磨き粉など忘れずに。

 

・お風呂はユニットかどうか、はじめに確認を。今回のお部屋は使えるお湯の量が決まっていたようで、夕方に旦那さんが一人でお風呂を楽しんでしまったら、その後お湯が朝まで使えなくなって唖然としました…(笑)。

 

・海外のツーリストが多いようで、ルールブックも英語中心でした。日本語訳の方が簡潔すぎて少し分かりにくかったのと、海外の方にとって使い方が分からないかもしれない洗面器はお風呂に置いていませんでした。

 

・日本のホテルに求めるものとは根本的に違っています。壁は普通のマンション並みです。細かいことを気にせず楽しむことが大切。

 

・次の日の朝ごはんを想定しておく。レンチンのご飯類を買っておいてもいいし、おにぎりやパンなど、近所のスーパーで選ぶのも楽しいです。簡単な自炊も出来るので、材料を買って目玉焼きなど作れます。ただ、一泊だと材料を買って消費するのが大変なので、今回は簡単なおにぎりなどを買ってきました。

 

・鍵の受け渡しの方法、チェックイン・アウト時間以外に荷物を入れてもいいかなど、しっかり確認しておくこと。

 

泊まる部屋やホストによって、様々なパターンがあるようです。私たちはまだ一部屋しか経験していませんが、食事について検討するのが大変でなければ、現地を夜まで楽しめるbnbは家族旅行にもアリだと思いました。

 

ただ、都会に旅行する際に大変なのはずばり「家族全員で入れる食事場所を探すこと」です。うちの場合は旦那さんが食べることにすこぶる情熱を持っているので、一食も無駄にしたくないタイプ…(笑)。

 

街には食べる場所はめちゃくちゃたくさんあるんです。ただ、どこも混んでいるしお店が多すぎて選べない…。チビ含む5人で繁華街を練り歩くのは本当に大変。その上、お腹がすいてくると機嫌が悪くなるので、ますます大変…(笑)。

 

なので、大阪や東京に旅行を考えていたら、お店の予約を取っておくと安心です。大げさですが、席があるというだけでとても救われます。今回大阪では機嫌が悪くなって無言で歩く子どもを連れて(チーは抱っこ…)食事場所を探すのが一番大変でした。結局1時間近く待ってようやく串カツにありついた時、無言でむさぼる子ども達…いやー反省しました(笑)。

 

今回の旅行の内訳を書いてみます。気軽な家族旅行の参考になったら嬉しいです。

 

【1日目】

(懐かしの!青春18きっぷで移動、神戸中華街で食べ歩き)

 

名古屋ー米原ー三宮ー元町(所要時間3時間40分)

※乗り換えもあまりないので、座れさえすれば普通電車での移動はそれほど大変ではなかったです。朝ごはんはパンなどを買っておいて、電車で食べました。

 

【中華街で食事】

※食べ歩きを楽しみにしていたのですが、すごい人の数でどこも大行列…!!チビちゃん連れなら、一軒はお店に入って、チャーハンなどを食べさせてから余力のお腹で食べ歩きするのをおススメします。

 

食べ歩きはほとんどのお店でテーブルがありません。広場で立って食べることになるので、そのつもりで…(笑)。とにかく行列です。何だけは食べたい!…と選んでおくといいかも。我が家の場合は小籠包と肉まん、水餃子でした☆

 

元町から難波まで18きっぷで移動。色んな交通手段がありましたが、せっかくなので、JR移動でムダなく…^_^。

 

bnbの部屋を探してウロウロ。30分ほどかけて着きました。ロフト付きのお部屋に子ども達大興奮…(笑)!下の2人が登ったり降りたりして遊んでるうちに、旦那さんにお願いして、長女と私で難波まで街歩き。

 

※余談ですが、長男・長女とこういう機会に2人で出歩くのはいいと思います。どうしても下に手がかかってしまいますが、そこは旦那さんにお願いして、ウインドウショッピングしたり、カフェでお茶するだけでもとっても喜びますよ^_^。今回は長女と2人でたこ焼きを食べました☆

 

夜ご飯はもつ鍋居酒屋。すぐに入れるお店がないかぐるぐる探してようやく到着。

 

【2日目】

海遊館に行くために「OSAKA海遊きっぷ」を購入。これは本当にオススメ!海遊館は人気スポットのため、チケット売り場は大行列です。今回は地下鉄1日乗り放題+海遊館入場券のものを購入(地下鉄の駅で購入できます)。大人2550円、小学生1300円。通常料金が大人2300円&小学生1300円なので、地下鉄にも乗れるしかなりお得だと言えるでしょう。何より、チケット売り場に並ばなくていいのは嬉しいです。

 

道頓堀でお昼を食べようとなったのですが、どこも人、人、人…大変でした^^;。結局串揚げ屋さんで1時間ほど待って食べました。とっても美味しかったですが、反省です(笑)。 

 

【交通費】合計25970円

18きっぷ(チケットセンターにて事前に購入)…11600円

※後日、使わなかった1回分をチケットセンターで2500円で売ったので、実質9100円。

 

・家族分帰り近鉄アーバンライナー…4260円+2130円×2(8520円)

 

・私の帰り新幹線代…6350円

 

名古屋駅からの最寄り駅までの往復交通費…だいたい2000円

 

【食事代】合計28000円

・中華街食べ歩き+店舗…6000円ほど

・1日目夜…もつ鍋10000円ほど

・2日目昼…串カツ屋10000円ほど

・その他コンビニで朝ごはんやお茶など…2000円ほど

 

【宿泊代】10445円

 

名古屋ー大阪家族5人でAir bnb旅、合計金額は64415円でした。食事代はもっと計画的に行けば節約できるかもしれません。我が家はとにかく食べることが大好きで、旦那さんはめちゃくちゃ飲むので、居酒屋に入るとこれくらい行ってしまうのです^^;。

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ちなみに、気になる方もいらっしゃるかもしれないので…ライブはエレファントカシマシさんの30周年記念ツアー初日です(笑)。ずっと好きなのですが、15年振りくらいに行けました。私にとっての15年が結婚や出産といった人生を変える様々なことがあったように、彼らにとっての15年も色々超えての日々だったと思います。ライブの時間は独身時代とは違った貴重さがあり、一曲一曲がとても心に沁みました^^。

 

自分が中学生の頃1番初めに行ったライブ(懐かしのバービーボーイズです!)のこと、中学から高校生、解散するまでずっとライブに通ったエコーズのこと、エレファントカシマシの宮本さんの言葉など思い出しながら、帰りの新幹線では(混み合った通路に座ってですが…笑)母業を休んでライブ好きな1人の自分に戻り、幸せな時間を過ごしました。

 

心に残るプレゼントをありがとう!

3.11に思うこと 〜この日の意味〜

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△勢いのある飛行機雲…どこに飛んで行くのかしら。

 

今年もこの日を迎えました。毎年複雑な気持ちでこの日を過ごす方も多いと思います。1年に1度だけみんなで思い出すなんて、何も終わっていないのに…と。

ただ、(私も含め)当事者になれない人々は、自分の無力さに少しの胸の痛みを覚えながら、この日の14時46分を迎える責任があるんではないかと思っています。

 

あの日に、運命を根こそぎ変えられてしまった人たち。ふるさとを思いながら、今もなお、帰郷のめどが立たない人たち。大切なご家族、友人、恩師、上司や後輩…たくさんの別れがあったと思います。

 

どうか、人と比べたりしないで、ご自分の歩みがいつの日かできますように。ご自分を責めていらっしゃる方が許してあげられる日を迎えられますように。こども達が「生きるってなかなかいいなぁ」と思っていられますように。

 

私はこの6年で色々な変化がありました。不妊治療なしでは妊娠は無理だと言われていたのに、3番目にまさかの自然妊娠でチーが産まれ、小児MGの発症、治療…。色んな出会いがあり、色んな気づきがありました。

 

東日本に関わる方にも実りのある出会いと喜びがあるよう、心から願っています。震災いじめ、なんて悲しい言葉がすぐにでも過去になるよう、関係ないと思わないで人の痛みについて想像する姿をこども達に見せて行けたらと思います。

最近ずっと考えていること 〜いじめたり、いじめられたりについて〜

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△なかなかしぶとい左目の下垂です。が、可愛いチーに変わりはありません^_^。

 

最近ずっと考えていること。

我が家の長女は12歳…多感な時期を生きていて、彼女と暮らすことで自分の小さな頃や多感な時期のことを思い出したり考えたりすることが増えています。それもあってか、学級崩壊やいじめ問題についても、多分以前よりも私自身のアンテナが立って、ぐるぐると考えることが増えました。

 

自分も昔、子ども時代を生きて来て、小さいからって天使な訳じゃないし、教室で楽しく過ごすのが難しい子がいるのも知っています(実際、私がそうでした…💦。幼稚園の頃、毎朝上靴にパンパンに土が入っていた。それを払い落とす所からが園の一日のスタートT_T)。子どもの日常って大人が思うほど単純じゃありません。

 

でも今は、大人に足を突っ込んだ年齢になり(突っ込んだどころか、もう熟年…笑)、大人だからって正しい訳でもないし、まだまだ全部が途中だということも知ってしまいました。 子どもだけじゃない…職場の人間関係に悩む人だっていますしね。

 

こういった問題を考える時、受ける側にスポットが当たりがちですが、やってしまう側にもっと真剣に向き合わなくちゃならないんじゃないかなーと思っていて。

 

胸に抱いた、黒いモヤモヤのつまったボール(ストレスという便利な言葉がありますね、それがつまっているのかもしれません…)をどうしていいか分からない時。ぶつけていい相手を、そのちょうどいい理由を無意識に探していて、だからきっかけは何でもいいのかもしれないなぁ…と。

 

あの子のこういう所が嫌だから、あんな言い方をされたから、何考えてるかわかんないから、という理由らしい理由が見つかる場合もあるし、ムカつくから、調子乗ってるから、キモいから、ウザいから、そういう空気だったから、という漠然としたものも。

 

そして周りは、それをぶつけられる側(つまり意地悪やいじめを受ける方)に向けて、「やられる側が強くなれ」…という理論になりがちです。でもそれって“痛み”に関して感覚を鈍らせろ…と言っているのに等しいし、「ぶつけられる側にも理由があるんじゃない?」…という理論は、その理由をうまく探せたなら、他の誰かを見つけてぶつけてもいい…ってことになりますよね。

 

持ってしまった黒いボールを、皆がぶつけてるのを見て一緒に投げてしまった時、そういう時のチクリと胸を刺した罪悪感こそを拾ってあげないといけないんじゃないかと思います。子どもを信じる…って、「うちの子は優しい子なんです。そんなことはしません。やったとしたら誰かにそそのかされたんです」という「自分が信じたい子ども像、又は、間違っていない子育て像」を信じるんじゃなくて、やりかねない、その弱さを持っている…そっちを信じて、黒いボールの中身を一緒に覗き込んであげる方が救われるはずです。

 

子どもって結構残酷だもんね、とか、皆がやってるからつい、とか、あの頃はそうだったよねーとか、ぶつけた側が軽く若気の至りと思おうとしていても、自分が歩いて行く先はその道の上なんです。過去は無かったことには出来ないし、チクリと刺した罪悪感があるなら「どうして?」と自分に問うべきじゃないかしら。

 

30人クラス全員が関わったいじめの問題なら、罪の意識を1/29にしてもいい訳じゃないと思うし、29人がそれぞれ自分に問うてみるべきです。傍観者を決め込んでいた人は、傍観者という立場を「選んで」そうしたんだと見つめるべきだし、そこで「嫌だったけど、無理やり選ばされた」としか思えないなら、選ばされる所からどうしたら抜け出せるか真剣に考えないとなりませんよね。

 

例えば、我が家の息子には吃音があって、からかいにより3日間の短い登校拒否をしたことがあります。理由は吃音ですから、ぶつけられる側の息子にその理由があると言えるでしょう。だって「言葉が詰まって変なんだもん。本当のことだもん」ですからね!

 

そしてチーは再発すると瞼の下垂と斜視の症状が出るので、顔を見れば違和感があり「皆に見られて嫌だな」と言います。先日も年中の男の子に「わ!この子だー!片目が開いてない子!」と大きな声で言われて恥ずかしかった…と漏らしていました。まだ「いじめ」とは言えないし、相手に悪意はないかもしれない…それに確かに瞼は下垂していて斜視も出ています。言う側のお得意の理論「ザ・本当のこと」です…^^;。

 

だからって、我が家の子ども達はからかいに慣れて負けない心を持つべきでしょうか?もちろんそういう考えの方もいらっしゃるでしょう。人の口に扉は立てられませんし…ね。が、私はそうは思っていなくて、その都度傷つくであろうことを「そりゃ嫌だよねぇ、やめて欲しいよなぁ」と共感したいし、やめて欲しいということを相手に理解して欲しいと願います。 

 

ただ、そこで親子揃って「一方的な被害者」の立場で「相手=悪、自分=弱者」になってしまうと、そこから抜け出すのはなかなか難しいかもしれません。相手が分からなくて言ってるなら、分かるように伝えてあげるのも大人の責任なのかなーとも。「いじめ、ダメ!」…とか、「人の嫌がることはやめましょうね。いいですかー、みなさん仲良く!」…とか、そういう道徳的な大人の言葉は、元・子どもとしての経験上、全くハートに届いて来ません。自分なら、そういうことしか言わない大人には、相談したいと思わないんじゃないかなぁ。

 

もし自分の子どもが意地悪やいじめを受けたら、原因を探したり、相手を糾弾したり先生に怒鳴り込むより先に、自分の子どもの頃のことをよく思い出してみるといいかもしれません。黒いボールをぶつけた経験、ぶつけられた経験、どちらかに心当たりはありませんか?その時、自分ならどうして欲しかったかを一生懸命考えるのは、子どもにとって心強いんじゃないかしら。もちろん、親と子どもは違う人だから、違う方法を取って欲しいかもしれません。そこを話し合いながらすり合わせて行けたら、と思います。

 

うちの息子の場合は、大ごとにしたくなさそうでした。ただ、言葉のことをからかわれるのが本当に悲しいということは、ひしひしと伝わって来ました。なので、それを平和的にやめてもらう…という事が第一希望。そのためにどうしよう?と考えました。

 

また、我が子がやってしまった側ならどうでしょう。黒いボールの中身を覗くのは親にとって、すごく勇気のいることかもしれません。ですが、黒いボールを持っていることが悪い訳じゃないんです。誰しも、思うように行かなかったり、人から誤解されて悲しかったり、そういうことはあります。普通に生活しているだけでもモヤッとすることはたくさんあるし、胸に黒いボールを持っているのは当然なんです。ただ、そのボールを弱い相手を見つけてぶつけないで、何か方法が見つかればいいですよね。

 

私は仕事をしている時、仕事上で起こった色々な嫌なことは、早い時間なら川べりに寝転んで捨てて帰る(夕焼けがキレイだったんです)…遅い時間なら、帰宅時間を1時間ほど遅らせて、ドライブしながら行きは大声で文句を言って(口汚くて他の人には聞かせられない…もちろん独り言)帰りは好きな音楽を大音量でかけて帰る…という儀式をしていました(笑)。玄関に結界を張り、黒いものを入れないようにしていたのです。おかげで大家族に当たらずにすんで、結果的に自分も楽でした。

 

もちろんこれが正解ではありません。何でもいいから、そういう、自分を保つ方法をオリジナルで見つけられたら強いんじゃないかしら。ぶつけられる方が強くなれ…じゃなくて、むしろ、強くなるべきなのはぶつけてしまう方だと思います。黒い部分に浸食されずに、どうにか自分で舵を取れるようにならなくちゃ。相手のことは変えられないけど、自分は変われると信じて欲しいです。

 

「最近の子は怖いねぇ、いじめが社会問題だって?」「若い親は何をやってんだ、甘やかすからこういうことになるんだよ」…なーんて声も聞こえて来そうですが、全ては繋がってんだよ!と言いたい(笑)。当然ながら若い親を育てた親にも親がいて、それを育てた社会があるはず。無関係なんて世代はひとつもないのに…ナンセンスですよねー。

 

だって周りを見れば、ネット上で大人(子どもから見たら高校生だって充分大人…笑)だってやってます。芸能人の不倫などのスキャンダルとか、違った思想を持っている政治家とか、自然災害のボランティアや寄付をした芸能人に向かった攻撃もありましたね。

 

自分にとって攻撃に値する人を見つけて、面と向かってはとても言えないような辛辣な言葉を書き込んで笑っています。相手にはぶつけられるような理由があるんだから、やられてもしょうがないでしょ…ってね。

 

ネット上で匿名になったから余計にぶつけやすいかもしれません。ただ、やられる側からすると、匿名のどこから飛んで来たか分からないボールがバシバシ当たるんですよ…それって面と向かって投げられる怖さとは別の怖さがありますよね。言葉は言霊、魂が宿るって本当だと思います。それがテキストに形を変えたって宿るものはありますし、口に出さなくても、誰にもバレなくても、自分の中の大事な何かは損なわれて行くと思います。

 

中傷で思い出すのは、杉良太郎さん。震災後の迅速で豪快かつ丁寧な支援について「売名行為なんじゃないか…という声もありますが」というような、ど失礼な質問をされて、杉良太郎さんがニヤリと笑って放った言葉「そう思うんだったら皆もやったら?(言葉は違うかもしれませんがニュアンスはこんな感じ…)」にはしびれました。

 

強さにユーモアが加わった素敵な受け答えですが、みんなが彼のように痛快な返しは出来ないでしょう。でも、誰かと比べたりしないで、自分が選んで行動したなら、心ない人の評価は「君には分からんだろうなぁ」ってポーンと遠くに放ってしまっていいんじゃないかな。もしやられる側に何かの落ち度があったとしても、尊厳を奪われるような目にあうべきじゃありません。ほんとに大切でわかり合いたい人ならば、きちんと順を追って説明したいですけど、そんな相手ってたくさんはいないでしょ?

 

それに、狭い教室でイケてた人がそのまま素敵な大人になる訳じゃないです。悪口で繋がっていた仲間はとてもバランスが危ういし、本能的にそれを知っているから、不安感からまた攻撃する…の負の連鎖に巻き込まれます。誰かを落として自分が上がっていたら、いつまでも不安感がぬぐえないはず。自分の立ち位置をしっかり見つめられる人、誰かの痛みに寄り添える人、損得じゃない所で物を見る目を持った人が素敵な大人になれるんです。

 

誰であれ、失礼な態度をしても許される相手なんていないです。街で全然知らない相手に接する時にも、自分もそれを忘れずにいたいと思うし、子ども達に大人が見せられる1番の教えじゃないかしら。

過去の息子の登校拒否についてはこちら↓

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再発のその後 〜ステロイド増量の現状維持〜

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△帰り道の夕焼け。空に救われることって多いですね。


今回のチーの再発でステロイドを隔日13mgに増量しました。そして一ヶ月弱が過ぎ、少しずつですが症状は快方に向かっています😊。朝起きた時にはパッチリ開いていますし、斜視も少し頻度が下がりました。昨日はチーの診察日。再発を受けて眼科的な検査もしっかり診てもらって来ました。

 

眼球の動きも悪くなるので、「あっちを見てー」パチリ!「今度はこっち見てー」パチリ!…と、いろんな方向を目で追って写真を撮ります。命令が通りにくくなってる彼女にとっては疲れる検査だけど、しょうがないって諦めてるようです😅💦。

そして、小児科にハシゴ。まだ症状が残っているので、今後どうするかの相談になりました。

選択肢としては

ステロイドの更なる増量(今は体重×1mg、MAX体重×2mgまで…)
・プログラフ(免疫抑制剤)を追加

になります。以前行ったパルスというステロイド大量投与の治療については、今回は症状の重症性を見て、まだ軽めなので…と見送ることになりました。

小児MGに限ったことではないでしょうが、子どもが病気の場合は親が診察の今後について考えることが多いです。プロでもないのに自分の身体じゃないことを決めなくてはならず…治療は基本的に結果論なので、なかなか悩ましいものです。

ただ、だからって先生がプロの目で見て「これしかありません。これで行きましょう!」と決めつけられても置いてけぼりにされたようで不安な訳で…どちらにしても親ってもんは悩ましいんです(笑)。

チーの担当の先生はいつも丁寧に、私がどう考えるかと質問をしてくださります。なので、再発をしてから考えていたことをお伝えして、薬の量は現状維持であと一ヶ月の猶予をもらいました。

 

最近、薬が増えてから余計に「疲れた」と口にするのが増えていて、時々夕方になると「ママ、足が疲れた…足が痛いみたい」と言います。床に座らせて足をもってふくらはぎをマッサージしてあげると楽になるようですが、その浮腫と倦怠感についてが気になっていました。どちらもステロイドの代表的な副作用ですT_T。

私は今回の再発について、

・下垂が黒目の真ん中にかかっていないこと

・視力に影響が出ていないこと

・見た目以外で日常について支障は出ていないこと

・寒暖差からの冬の体調不良が再発の原因かもしれないこと

…以上から、ステロイド増量を今は見送って現状の量で様子を見たいとお伝えしました。今すぐパッチリ目を開けるより、日常の疲れやだるさを軽減させてあげたいな…との思いです。

ステロイドを日常的に使っていると免疫力が下がるので、それで風邪っぽい症状が続いているとも言えます。そしてその風邪っぽい症状が再発を促しているような…そういう再発スパイラル(笑?)の中で、ステロイドを増量するのにはどうしても躊躇してしまって。

 

この寒さがやわらいで、風邪っぽい症状がもう少し軽くなって来た時に治って来るかもしれない…という希望を捨てたくないというか。という訳で、瞼の改善を願いつつ様子を見ることになりました。

 

もちろん、患者は彼女なので、もっと大きくなって来たら彼女がどう考えるかが1番重要になります。今はうんうんうなりながら、ぐるぐる考えながら、私が舵を取るべき時であって、それに疲れてしまわないように上手に漕いで行きたいと思います。

このシーズンは、患者の会のMGっ子ちゃんたちにも再発っぽい症状が多く出ています。どの子にも、身体の負担を最小限に抑えて症状が良くなるといいなぁ、と願います。早く春よ来ーい…です😅!

今回のチーの再発について 〜ステロイド増量で対応〜

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△家族じゃんけんに勝って、デカい豚カツを手づかみで食べるチーです^ ^。

 

またまた久しぶりの更新になりました。

 

年末から続いていたチーのプチ再発ですが、年始から瞼の下垂(左)と時々の斜視(右)の頻度が上がり、1月に入り斜視と下垂の戻りが悪くなったので、診察を受けて来ました。

 

左が下垂の時には右の斜視はほとんど出ず、右が斜視の時には左は開いていることが多いので、両方に一気に出る感じではないのですが、チーの場合は①左の下垂→②右の斜視の順番で発症することが多く、下垂で持ちこたえないで斜視まで行ってしまうと簡単には治らなくなってしまいます…>_<。

 

 今は右の斜視は少し落ち着き、左の下垂に移行していて、右はその分頑張って働いている感じです。身体ってすごいですねー!お互いをフォローしているような様子にチーと2人で「左眼君、私が働くから君は休んでくれたまえ…」と右眼君が言ってるよー、なんて遊んでいます(笑)。

 

チーのようなMG(眼筋型)の場合は、眼の周りの命令を阻害する抗体が出てしまっているので、脳からの命令は頻繁に受けているはずです。イメージは怪我などで手足に一時的に麻痺が出てしまった時のリハビリに似ているような気がします。動け、動け!…と強く念じても身体が言うことを聞いてくれないような。

 

以前入院している時は2歳前、再発した時も2歳の夏だったので、それほど体調についてを正確に伝えることが出来ませんでした。今は4歳…お喋りも上手になったので、「こっちのメメがいやーなかんじする」「ときどき、ママがふたつみえる」など、教えてくれます。

 

初めの診察では「これはもう「再発」というほか無いです。何らかの方法を取らないとならないですね」と言われ、久々に眼科のしっかりした検査も予約して来ました。ステロイド以外の免疫抑制剤(プログラフ)も検討に入って来ると思います…とのこと。

 

東京の先生に相談してくださると言われ、とりあえずは帰宅。プログラフについてはほとんど知らなかったので、LINEで小児MG患者の会のみなさんに問い合わせてみました。再発していてプログラフを検討するかもしれないと伝え、

 

・飲ませてから効いてくるまで時間がかかりますか?

・合う、合わないが激しいですか?

・飲ませにくいですか?

・副作用が何か出ましたか?

・その他困ったことがありましたか?

 

と質問を投げたら、すぐにみなさんから次々に回答をいただきました。薬の写真なども載せてくださり、その迅速な対応と情報の正確さ…何より温かい励ましの言葉に胸が熱くなりました。小児MGのお子さんを育てている方は皆、再発と隣り合わせの日常と減薬の難しさを生きています。

 

結果、東京の先生と相談の上、チーはステロイド増薬で対応することになりました。昨年の夏からコツコツと減らして10mgから6mgになっていたステロイドが、13mg(体重×1mgの計算)になります。これまでのステロイド投薬とパルス治療に一定の効果が出ていること、前回の再発から2年ほど症状なしで維持出来ていたことを鑑み、チーの身体にとっての新薬よりもステロイドの増量で様子を見る…との判断です。

 

いくらノーテンキな私とはいえ、いきなりの倍量以上の増薬に一瞬震えましたが、まぁ症状があれだけ出ていたら何もしないという選択はないでしょう(^^;)。あくまで飲むのは彼女なので、薬が増えることを説明して2月からスタートしました。一ヶ月で一定の効果が出なかったら次の選択に移るそうです。ただいま2週間弱、朝1番にはパッチリ二重が見られるようになり、ほんとに少ーしずつですが効いて来てるのかなーと思います(希望的観測かも…笑?)。

 

すぐに使うことにはなりませんでしたが、プログラフについて今回随分勉強させていただきました。おかげさまでもし飲むことになったとしても、不安はありません。近所の薬局にも相談し、薬が変わっても(カプセルなので、チーの場合ほどいてもらわなくてはならないんです)対応してもらえると確認を取りました。

 

また、担当の先生はプログラフの症例をあまり持っていないとのことだったので、患者の会からの情報を個人的な部分を削除してまとめて渡しました。患者の生の声に触れる機会はあまりないでしょうから「すごい情報ですね、これは」…と感心して受け取ってくださいました。

 

子どもに飲ませる薬や治療については自分の身体ではない分、周りは漠然とした不安を感じてしまいます。ただ、不安をそのまま日常に持ち込んでしまうと家庭に蔓延してしまいますね(笑)。何が不安で、どこをクリアにしたいのか…そこを整理して出来ることをしておく(私の場合は患者の会の皆さんに投げた上の質問、薬が変わった時の薬局への問い合わせ)、それだけで、納得して治療に向かえる気がします。

 

お医者さんにはその不安な気持ちが届きにくいかもしれません。彼らは患者の気持ちのプロではなく、治療についてのプロですからね(笑)!ただ、患者は日常を生きなくてはなりません。それも出来ることなら「笑顔で楽しんで」…です。自分で調べて却って不安にかられる方もいらっしゃるでしょうが、人生の軸をブラされないよう、病気についての理解を深めて納得する努力は必要なんじゃないかなぁ。

 

代わりに薬を飲める訳でなし(めちゃくちゃ苦いんです…ステロイド。何度代わりに飲めたら…とせんないことを考えたことか)…私たち家族がチーにしてあげられることは、彼女と楽しむことくらいなものです(笑)。今回の再発で減薬の難しさを痛感しましたが、それが全てではありません。薬を飲みながら身体と相談して病気を乗りこなして行く、彼女の近くの応援団&相談役でいられたらいいな、と思います。それにはまず、ママの周りにも応援団&相談役がいないと厳しいですよね^^。くれぐれもママが1人で頑張り過ぎないように…。

逃げるについて考える 〜息子の見事なスタコラサッサ〜

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△「オレ…?逃げるよ、そりゃ!」の茶々丸

 

すっかり遅くなってしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。

2017年も時々更新のぐうたらブログをよろしくお願いします^^。

 

まずは年末から気になっていたチーのプチ再発ですが、鍼灸治療の効果が少しずつ現れて無事に瞼は全開しました。効果がしっかりと出るまでは2〜3週間ほどかかりましたが、鍼灸の先生によるとそれくらいのスピードでの回復が丁度いいそうです。

 

この時期特有の風邪っぽい症状と、まだ時々斜視が出ているので、ステロイドの減薬は一旦ストップして、引き続き週に1度の鍼灸治療で様子を見て行く予定です。このまま春を迎えられたら良いのですが…悪化したらその時考えるしかないですしね^^;。

 

さて、最近何かとこのブログで取り上げている息子ですが、今日は彼の逃げっぷりについてお話ししたいと思います。

 

あれは幼稚園に入園したばかりの頃。

 

「黄色い名札の子がさー、毎日オレにこうして走ってくる」

と、私に拳を振り上げて追いかける真似をして見せてきました。

「あらまぁ。それで?」

「こないだは階段逃げて、まだ来るから上靴で砂場まで逃げた」

「ほぅ、捕まんなかったの?」

「うん、オレのが足が速ぇし…!」

となぜか得意顔…(笑)。

 

(なるほど、完全に弱者としてのスタートだったはずなのに、途中からかけっこ的なことになった訳ね…我が子ながらポジティブというかなんというか…笑)

 

いつもはひどい扱いをしている姉(当時2年生)ですが、鼻の穴を膨らませて「どんな子なの?聡悟が何かしたの?名前は?先生に言った?」と、私よりもずっと腹を立てています。「しらん、オレ何もしとらん。でも会ったらよく殴り掛かって来るんだ」とのこと。

 

本人にとっては、相手に対する怒りの感情はないようで、よく分からんけど殺気を発して来たから逃げる…というごくシンプルな(笑)。

 

それが2年生になっても同じようなことがありました。クラスに少し変わった男の子がいて、聡悟のクレパスや文房具を持って行って使い切ってしまったり…どうも聡悟のことが気になる様子。ジャイアンといったイメージではなく、自分なりの何かルールなりがあって、それに乗っ取って行動している感じでしょうか。

 

その子もいきなり殴り掛かって来る…と言うのです^^;。朝登校時に足取りが重くなって来て、「何かあった?」と聞いても初めは何も言わず。しばらくして「オレと好きな色が一緒だから、クレパスとか持って行かれるのも困るけど、いきなり殴り掛かって来るのはもっと困る」と話してくれました。

 

「あーあ、行きたくねぇなぁ…」と言うので「全然知らなかったよ。先生と話してあげようか?」と聞くと、「いつ?いつ電話する?今?」…と。結構困ってたんですね…>_<。


「その子に殴り掛かられた時はどうしてるの?」と聞いてみたら、

「やられる前に逃げる!」

「逃げられるの?」

「うん。こないだ上靴で校庭まで逃げた!」

……あれ?どこかで聞いたことあるような…(笑)。

「追いつかれなかった?」

「オレのが速ぇから!○○の後ろからセンセが追いかけて来て、オレ、○○、センセの順で校庭回ってた。最後にセンセが追いついて、○○のこと捕まえた」

……現代版ちびくろさんぼ的な?いや、笑っちゃいけませんね、本人真剣ですから^^;。

 

この後先生とやりとりして、相手のお子さんが他でもトラブルがあったようなので、学校で加配の先生を付けてくれることになりました。

 

逃げる、ということがらについて、彼は格好悪いことと思っていないようです。

「上靴で逃げる時、みんないなかったの?」…と聞いたら

「何人かにぶつかったけど、オレ急いでたからさ、そのまま走った」

誰かに見られながら、自分が悪くないのにどうして逃げないといけないのか?という所はあまり気にしていないんですよね。

 

理由を聞いても「考えたけどよく分からん。ママ、何でか分からんってさ、めちゃくちゃ怖いんだよ。急に殴って来るからさ、だから逃げるんだ!」…と言います。

 

人って本来は動物なわけだから「生き抜く」により近い行動をするものだと思うんです。殺気を感じたら動物だって逃げますよね。ライオンから逃げるサバンナのシマウマを誰も笑ったりしません。でも、人間のように「格好悪い」とか「弱い」という価値観がそこに付加されちゃうとどうでしょう?逃げない、負けない、の方が良いイメージがありますね。

 

一昔前なら、「向こうが悪いのに逃げるなんて何事だ!?男ならやられたらやり返せ!」と言われた所かもしれません(笑)。でも私は「よく逃げた!」と思いました。原因の見えない突発的な暴力は、こちらの対応次第で相手にとっても不要なまでの暴力を引き起こしてしまいます。追いかけてるうちにクールダウン出来たなら、その子も救われたんじゃないかしら…と思って。

 

暴力をふるってしまう子がその拳を振り上げた時、引き返せない何かが生まれてしまう気がします。振り下ろしたらお終いですもんね。そのきっかけを奪う手段として「力一杯走って逃げ出す」のはなかなかいい方法かもしれません。

 

もちろん、そんな立派な男じゃないので、逃げるべきじゃない時にも逃げていますよ、彼は(笑)。宿題をやらない子は放課を使って宿題をやる、というペナルティがあるのですが、「毎回逃げられています」と先生から電話がかかってきました。宿題から走って逃げといて、いけしゃあしゃあと戻って来るあたり…ほんとに図々しい!!相変わらず平謝りの母です。

 

「若いもんは嫌なことからすぐ逃げ出す」社会に出てから上司の皆さんが頭を抱える問題の一つです。ただ、何から逃げるのか。あまり波風立てたくないタイプの若者がブラックバイト→そのまま正社員でブラック企業にはまってしまう、そんな話題もありますね。人として疑問を感じるような内容であれば、どうしてもやれないこともあるかもしれません。ちょっと怒られただけで仕事に来なくなっちゃう…というのは考えものですが、大人側が年齢に関わらず相手に尊敬の念を持って接するのは大切だと思います。

 

どうしてもプライベートで笑えなくなってしまうようなら、安心出来る場所に一旦逃げて、自分はどうしたいのかを真剣に考えるのは、生きるために必要な逃げでしょう。日本でこんなに自殺が多いのは、上手に自分を逃がしてあげられないからなんじゃないかなぁ。

 

命が危ない時、相手の暴力が向かって来た時、自分が大事にしている自分自身が汚されそうな時、みんなにぶつかりながらも一目散に逃げるのは大切な生きるスキルになるかもしれません。逃げた場所に戻らなければいけない場合、大きな勇気が必要になりますが、嫌なんだという意思表示にもなると思います。

 

もちろん逃げない方が自分のやり方に合っている方もいらっしゃるでしょう。それぞれのやり方が見つかればそれが1番であり、違ったやり方を否定するものではないですよね。ただ「向き合う」の反対が「逃げる」ではなく、逃げてこそ大切なものが分かったり、そこから向き合える人だっていると思うので、みんな逃げてく人を笑わないで欲しいな^^。

 

そうそう。面白い話を聞いたのですが、私たちの多くは逃げ延びた人の末裔だという話です。昔々戦の時代にも血の気の多い人ばかりではなかったでしょう。中にはその時になって、雄叫びを皆が上げながら走り出す中で「やっぱ戦うの嫌だな」と逃げた人がいたんじゃないかって。そして知っている人がいない所まで逃げて、所帯を持って生きていったと考えられるそうです。みんながみんな血の気の多い人だったら、お互いが皆殺しを繰り返し、子どもを残せるような年齢の男性の数が極端に減ったんじゃないかな。

 

戦国時代は戸籍に囚われない分少しはゆるかったかもしれないけど、戦時中はもっと逃げることに関してはシビアだったでしょうね。軍隊から逃げ出すというのは、当時は見せしめのために私刑にされたりしたと思います。みなに同じ価値観でいてもらわないと困る訳ですから「逃げること=卑怯者」という図式が最も強くアピールされるのは戦争でしょう。

 

そう考えると、自由に逃げられるのは、平和な証拠なのかもしれないですね^^。息子は正しく逃げる時ばかりじゃないですが、見事なスタコラサッサが出来る男です。本当の自分を守りつつ、いつかどこかに辿り着いてくれたらいいなと思います。